石油・天然ガスが届くまで

鉱区の取得から、探鉱、生産、販売までの
4つの工程

地下に存在する石油や天然ガスを最先端の技術を使って探し出します。

1地層を調べる [地質調査]

直接見ることができない地下の地層でもその延長部が地表に露出していることがあります。地質調査では、そのような地層を調査・分析し、石油や天然ガスのもとになった岩石がどこに分布するか、生成された石油や天然ガスがどこに集積していそうかを調べます。

2振動を与えて探す [物理探査]

地層を構成する岩石の硬さや密度など物理的な性質を利用して地下の地質構造を調べます。これが物理探査です。その1つ、地震探査は、地表や海上から地下に人工的な地震波を送り、地下の岩石にぶつかって地表にもどってきた振動を分析して、地下の地質構造を調べます。

3試しに掘る [試掘井の掘削]

様々な調査によって有望とされた鉱区でも、本当に石油や天然ガスがあるかどうかは、実際に井戸を掘って地下の様子を調べてみないとわかりません。どの場所にどれくらいの深さの井戸を掘ればよいかといった詳細な計画を作成し、試し掘りの井戸「試掘井」を掘削します。

4発見後の調査分析 [生産テスト]

「試掘井」によって石油や天然ガスが存在する層を発見できても、それらが商業化に見合う量があるかわかりません。そのため、試験的に石油や天然ガスを産出する「生産テスト」を行います。あらゆる面からの検討を重ね合わせ、本格的な開発・生産に向かうべきかどうかを判断します。

リグ(掘削装置)を使って井戸を掘り石油や天然ガスを採取します。

1やぐらを組む

石油や天然ガスを採取するために、井戸を掘ります。地下深くまで井戸を掘り進むためには、長いパイプを何本も継ぎたさなければなりません。そのため、「やぐら」と呼ばれる鉄塔を組み、様々な機械や装置を設置します。これらをまとめて「リグ(掘削装置)」と呼んでいます。

2巨大なビットで掘る

1本約10mのパイプを継ぎたしながら、地中深く井戸を掘ります。パイプの先には「ビット」と呼ばれる特殊なドリルが取り付けられ、ビットの回転とパイプの重さを利用して、硬い岩石を削り、地中を掘り進んでいきます。ビットは様々な種類があり、岩石に応じて使い分けます。

3土を取り除きながら掘り進む

井戸を掘った時に出る土や石などの掘りくずは、泥水と呼ばれる液体を地上から強力なポンプで流し込み、ビットの先端から勢いよく吹き出させることで地上に押し上げて運び出します。泥水は、地下のビットやパイプを冷却することや、地層の壁を補強する役割も果たします。

4崩れないように固めて掘る

掘り進んだ井戸は、崩れないように「ケーシング」と呼ばれる鉄管で補強します。掘った穴の大きさに合わせて太いものから細いものへ順に使い、土との間をセメントで固定します。 井戸を掘り終えると、天然ガスがある場所のケーシングに穴をあけ、石油や天然ガスを採り出します。

採り出した石油や天然ガスを製品とするために精製・処理します。

天然ガス

油分を分離し不純物を処理します

採取した天然ガスには、油分や不純物(炭酸ガス・水分など)が含まれています。そのままでは製品として使用できないため処理プラントに送られ、油分はセパレーターにて分離、不純物は炭酸ガス除去装置や冷凍装置にて処理され、みなさまが利用できる天然ガスとして送り出します。

石油

ガス分を分離し不純物を処理した後、精製します

採取した原油には、ガスや水分などが含まれているため、セパレーターによってガスを分離した後、水分や塩分などを除去します。処理後の原油は、製油所の蒸留装置にてLPG・ナフサ(石油化学製品の原料)・ガソリン・灯油・軽油・重油などの石油製品に精製されます。

製品となった石油や天然ガスがみなさまのもとに届けられます。

精製・処理された石油・天然ガスは、パイプライン、タンカーやタンクローリーで運ばれます。

天然ガス

海外から日本への輸送

日本の国内天然ガス生産量は、国内消費量の約4%足らずであるため、残りの約96%はインドネシア、オーストラリア、中東地域などからLNGとして輸入しています。当社は、中長期的に十分な天然ガスの供給能力を確保する目的で、新潟県上越市(直江津港)にLNG受入基地を建設し、2013年より操業を開始しています。

天然ガス

国内のガス供給

輸入されたLNGは受入基地で気化してガスに戻され、国産ガスと混ぜ合わせて、パイプラインを通して川を渡り、山を越えて都市ガス事業者などに送られます。

石油

石油製品の輸送

石油製品の輸送には、海上では石油専用のタンカー、陸上ではパイプラインやタンクローリーなどの車両、時には貨物列車が使われます。

石油

身近な石油製品

石油製品は様々な用途に使用されます。工場や家庭などでは熱源として、自動車・船舶・航空機などでは動力源として使われています。さらに、洗剤やプラスチック製品、合成繊維などの原料としても利用されています。