長期戦略と中期経営計画(INPEX Vision @2022)
長期戦略
2050年ネットゼロカーボン社会に向けた基本方針
INPEXはEnergy Transformation(EX)のパイオニアとして、石油・天然ガスから水素、再エネ電力まで多様でクリーンなエネルギーを安定供給します
- ※1①水素・アンモニア、②石油・天然ガス分野のCO₂低減(CCUS※2)、③再エネ、④カーボンリサイクル・新分野、⑤森林の5分野
- ※2Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage; CO₂回収・利用・貯留
2030年頃に目指す姿
INPEXはネットゼロカーボンを理想から現実に変えていきます
~ネットゼロ5分野へ最大1兆円程度を投入、2030年に営業CF※1の1割程度を目指す~
- ※1探鉱前営業キャッシュフロー(イクシス下流IJV※4込みの数値であり制度会計ベースとは異なる)。再エネは持分営業CFベース(概算)
- ※2バレルあたり原油価格(Brent)60~70ドルを前提とした場合の概算値
- ※3GHG排出原単位
- ※4Incorporated Joint Venture;法人型ジョイントベンチャー
- 注各数量は当社権益分相当
- ※1アンモニアは水素換算
- ※2風力等の再生可能エネルギーを利用し、水を電気分解することで製造される水素
- ※3Reducing Emissions from Deforestation and forest Degradation Plus;
森林減少・劣化の抑制によるCO₂排出削減に加え、森林管理を通じた劣化防止及び植林等による炭素ストックの積極的増加も含むCOP16の「カンクン合意」(2010年)で定める概念 - ※4中下流事業等を含む
ネットゼロ5分野の取組み
水素アンモニア
- 2030年頃までに3件以上の事業化を実現し、年間10万トン以上の水素・アンモニアの生産・供給を目指す
CCUS
- 2030年頃にCO₂圧入量年間250万トン以上達成を目標とし、技術開発・事業化を推進することで、CCUS分野におけるリーディングカンパニーを目指す
再エネ
- 洋上風力・地熱発電事業を中心に、1-2GW規模の設備容量確保を目標に、M&A等により取得したアセットをプラットフォームとして事業を加速的に拡大し、主要なプレイヤーとなることを目指す
カーボンリサイクル新分野
- メタネーションの社会実装を推進し、2030年を目途に年間6万トン程度の合成メタンを当社パイプラインで供給することを目指すとともに、更なる発展を追求
森林
- 森林保全によるCO₂吸収を目的とした事業を、支援から事業参画へ強化・拡充
関連リンク
石油・天然ガス分野の取組み
「コアエリアへの選択と集中」・「天然ガスシフト」・「強靭化とクリーン化」を一体で推進し、
クリーンなエネルギーの安定供給を目指す
コアエリアの設定による事業ポートフォリオの集中
- コアエリアは、豪州・アブダビ・東南アジア・日本・欧州の5つの地域とし、経営資源を集中させることにより事業の効率性を向上させる。
- 従来の石油・天然ガス分野のコアエリアから、ネットゼロ5分野も合わせたエリアとし、 既存事業のアセット・ネットワーク・技術等の事業基盤を活かしたシナジーを追求する。
- 注地図上に印されているアイコンは、当該エリアにおいて既にアセットを保有、あるいは現在、具体的な計画があることを示している。
中期経営計画
中期経営計画の位置付け
「2030年頃に目指す姿」の実現に向け加速
経営目標
- イクシスを始めとする国内外プロジェクトの安定操業により、安定的かつ堅実な収益・キャッシュフローを創出
- 有利子負債削減を進めることで財務健全性を確保し、将来のネットゼロ5分野の拡大、石油・天然ガス分野の資金所要に備える
指標 | 2024年12月期目標※1 | |
---|---|---|
60ドル※2 | 70ドル※2 | |
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
1,700億円 | 2,400億円 |
探鉱前営業CF※3 | 6,000億円 | 7,000億円 |
ROE※4 | 6.0%程度 | 8.0%程度 |
ネットD/Eレシオ※3 | 50%以下 |
- 注親会社株主に帰属する当期純利益への油価・為替のセンシティビティについては毎年の業績予想発表時に公表しております。
- ※1為替前提:110円/ドル
- ※2バレルあたり原油価格(Brent)
- ※3イクシス下流IJV込みの数値であり制度会計ベースとは異なる
- ※4事業面での不断の強靭化を図るとともに、自己株式取得等も含めて経営効率の継続的な向上に努める
事業目標
- 基盤である石油・天然ガス分野の強靭化とクリーン化を推進することで、引き続き、エネルギー開発・安定供給の責任を果たし、日本及び世界のエネルギー需要に応え、ネットゼロカーボンに向けたファーストステップとする
指標 | 2024年12月期目標 |
---|---|
ネット生産量 | 日量70万バレルを上回る水準へ |
バレル当たり生産コスト | 5ドル/バレル以下へ向けて削減 |
GHG原単位※1 | 2030年目標※2の達成に向け、 3年間で10%(4.1kg/boe※3)以上低減 |
安全 | 重大な事故※4ゼロ |
- ※1GHG原単位 = (エクイティシェア排出量(Scope 1+2)- オフセット) ÷ ネット生産量
- ※22019年排出原単位41.1kg/boeから30%以上低減
- ※3barrels of oil equivalent;原油換算バレル
- ※4オペレーター事業における死亡事故、重大漏洩、重篤負傷
資金配分
- 探鉱前営業キャッシュフローを、①有利子負債削減 ②株主還元 ③成長投資 の順序で配分
- ③成長投資 のうち約2割をネットゼロ5分野に投資
2022年~2024年(3年間)の資金配分想定(前提:イクシス下流IJV込み、為替110円/ドル)
- ①有利子負債削減
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- 5,000億円程度の債務縮減を進め、15,000億円程度のネット有利子負債水準※1とする。
→ネットD/Eレシオ50%以下※1を目指し、強固な財務体質を確立する。
- 5,000億円程度の債務縮減を進め、15,000億円程度のネット有利子負債水準※1とする。
- ②株主還元
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- 次頁の還元方針に沿って、当期純利益1,500億円の水準を前提に、年間600億円以上を目指す。
- ③成長投資
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- うち、石油・天然ガス分野へ9,000億円程度。
基盤事業として安定供給に資する水準を確保する。 - ネットゼロ5分野へ2,000億円程度。
事業の加速を図るべく、「今後の事業展開」で示した全体の1割程度から2割程度に引き上げる。
- うち、石油・天然ガス分野へ9,000億円程度。
- ④油価上昇時(60→70ドル/バレル)
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- 油価70ドル/バレルでは、探鉱前営業CFが更に3,000億円程度増加。
- 事業戦略の進捗、株主還元、財務体質等を総合的に勘案して戦略的に活用する。
- ※1イクシス下流IJV込みの数値であり制度会計ベースとは異なる
株主還元
安定的な配当を基本としつつ、業績の成長に応じて、株主還元を強化する
- 総還元性向は40%以上を目途とする。
- 事業環境、財務体質、経営状況等を踏まえ、自己株式取得を実施する。
- 短期的に事業環境等が悪化した場合でも、1株当たり年間配当金の下限を30円とする。