オーストラリア

イクシスLNGプロジェクト及び周辺鉱区

イクシスLNGプロジェクト

契約地域
(鉱区)
作業状況 生産能力 事業会社(設立) 権益比率
*オペレーター)
WA-50-L/
WA-51-L
生産中 LNG:年間890万トン
LPG:年間約165万トン
コンデンセート:日量約10万バレル(ピーク時)
INPEX Ichthys Pty Ltd
(2011年4月5日)
*同社 67.820%
TotalEnergies 26.000%
CPC 2.625%
大阪ガス 1.200%
関西電力 1.200%
JERA 0.735%
東邦ガス 0.420%

安定的な生産の継続

本プロジェクトでは、2018年7月に生産を開始し、その後、 順次コンデンセート、液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)各製品の出荷を開始しました。2018年の生産開始以来、安定生産を継続しております。
本プロジェクトでは、年産840万トン分の売買契約は締結済み、LNGの約7割が日本の買主向けであり、日本の輸入量の約1割強に相当するLNGを生産しています。既に年間930万トンの生産を行うための施設能力を向上しており、今後も安全・安定生産体制の維持・強化、エネルギーの安定供給に努めていきます。

規模の拡大とクリーンエネルギー供給の両立を目指して

本プロジェクト周辺では、16の探鉱鉱区を保有しており複数のガス構造を発見しています。今後周辺探鉱や既発見アセットへの参入及び開発を加速し、長期的な生産量の維持を一層確実にした上で、将来のイクシスの拡張も視野に入れた更なる生産量拡大を目指します。また、2030年頃を目標としCCS導入によりCO2の排出量を減らし、クリーンなエネルギーの供給を行います。

イクシスLNGプロジェクト周辺探鉱鉱区

契約地域(鉱区) 作業状況 事業会社(設立) 権益比率
*オペレーター)
WA-84-R/WA-85-R/WA-86-R 探鉱中
(ガス・コンデンセート発見構造の評価を実施している鉱区)
INPEX Browse E&P Pty Ltd
(2013年10月21日)
同社 40%
*Santos 60%
WA-80-R 同社 26.6064%
*Santos 63.6299%
Beach 9.7637%
WA-281-P 同社 29.5%
*Santos 70.5%
WA-74-R/WA-79-R/WA-81-R 同社 40%
*Santos 60%
WA-285-P 探鉱中 *同社 93.82%
CPC 2.625%
大阪ガス 1.200%
関西電力 1.200%
JERA 0.735%
東邦ガス 0.420%
WA-533-P *同社 100%
AC/P66
AC/P71
AC/RL7 INPEX Cash Maple Pty Ltd
(2023年8月4日)
*同社74%
TotalEnergies 26%
EP(A)318 INPEX Oil & Gas Australia Pty Ltd
(2012年2月28日)
*同社 100%
G-7-AP
(GHGアセスメント鉱区)
評価作業中 INPEX Browse E&P Pty Ltd
(2013年10月21日)
*同社 53%
TotalEnergies CCS Australia 26%
Woodside Energy 21%

周辺地域の探鉱活動

2023年にはWA-285-P鉱区での試掘井の掘削を完了、WA-343-P鉱区での試掘井の掘削作業を2023年~2024年にかけて実施しています。また、2024年上半期にAC/P66鉱区の3D地震探査取得作業を実施しています。これら探鉱活動を通じて有望な石油・ガス構造の発見を目指します。

周辺地域の既発見アセットへの参入及び開発

イクシス周辺の当社保有鉱区では、Crown、Lasseter、Burnside等のガス構造を発見しています。また、2023年にはAC/RL7鉱区(Cash Maple)の74%の権益を取得しました。本鉱区では既に天然ガス・コンデンセート田が発見されていることから、今後イクシスLNGプロジェクトの長期にわたる安定供給に資することが期待されます。

トレイン拡張

2030年頃の稼働に向け、埋蔵量の確保等の前提条件が整ったことを確認したうえでLNGプラントのトレインの拡張を検討しています。

CCS導入

当社は、LNG生産の維持・拡張と並行して、気候変動対応の一環として生産操業に伴い排出されるCO2を回収し、地下圧入・貯留するため、CCS事業を検討しており、2022年8月には、INPEX Browse E&P Pty Ltdを通じてオーストラリア北部準州の北西沖合に位置するGHGアセスメント鉱区G-7-AP(Bonaparte)の53%の権益を取得しました。同鉱区において、イクシスLNGプロジェクトのCO2を2030年頃から圧入することを目指し、現在、評価作業を実施中です。同鉱区では大規模なCO2貯留キャパシティーが期待できることから、イクシス以外からのCO2受入に向けても検討を行っており、北部準州政府等が主導するNT Low Emission CCUS Hub※ 構想等の実現にも貢献してまいります。

  1. ※NT Low Emission CCUS Hub:
    北部準州政府、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)およびボナパルトCCSプロジェクトやその他の産業参加者と共同で開発を進めている低排出CCUSハブ事業
地図:イクシスLNGプロジェクト、及び周辺鉱区
CPF「イクシス エクスプローラー」
陸上ガス液化プラント


Enel Green Power S.p.Aとの豪州再生可能エネルギー事業

当社は、イタリアの大手電力・エネルギー会社Enel S.p.Aの子会社であり、世界最大級の再生可能エネルギー会社であるEnel Green Power S.p.A(EGP)より、豪州法人Enel Green Power Australia Pty. Ltd(EGPA)の50パーセント株式を取得し、50:50の戦略的パートナーとして豪州全土での事業の拡大を目指すことに合意しました。
今後EGPA社が保有する既存ポートフォリオの運営に携わると共に、更なる発電容量の拡大を目標として収益性の高い優良な新規発電アセットの選別と開発を進めていきます。またEGPA社は蓄電池や電力リテール・トレードを通じ顧客の要望に応じた形でクリーン電力を供給し事業価値を最大化するというバリューチェーン型のビジネスモデルを推進しており、今後も再生可能エネルギーの収益獲得の多層化を目指します。

プレリュードFLNGプロジェクト

契約地域
(鉱区)
作業状況 生産能力 事業会社(設立) 権益比率
*オペレーター)
WA-44-L 生産中 LNG:年間360万トン
LPG:年間約40万トン(ピーク時)
コンデンセート:年間130万トン(ピーク時)
INPEX Oil & Gas Australia Pty Ltd
(2012年2月28日)
同社 17.5%
*Shell 67.5%
KOGAS 10.0%
OPIC 5.0%

当社は、2012年6月にShell社がオーストラリア北西部沖で開発中のプレリュードFLNGプロジェクトの権益17.5%を取得しました。プレリュードFLNGプロジェクトは、西オーストラリアブルーム市の北北東約475キロメートルの沖合にあるWA-44-L鉱区のプレリュードガス田より、LNG年間360万トン、LPG年間約40万トン(ピーク時)、コンデンセート年間130万トン(ピーク時)をFLNG方式(浮体式)により生産・液化・出荷するプロジェクトです。オペレーターのShell社は、2011年5月にFLNG方式による最終投資決定を行いました。その後、生産に必要な施設の建設作業や試運転作業を経て、2018年12月に生産井からのガス生産、2019年3月にコンデンセートの出荷、同年6月にはLNGの出荷を開始しています。

地図:プレリュードFLNGプロジェクト
FLNG船(コミッショニングLNG受入の様子)

バユ・ウンダンプロジェクト
(PSC-TL-SO-T 19-12(旧JPDA03-12鉱区))

契約地域
(鉱区)
作業状況 生産量*1 事業会社(設立) 権益比率
*オペレーター)
バユ・ウンダンユニット 生産中 コンデンセート:日量約2千bbl
天然ガス*2:日量約44百万cf
LPG:日量約0.6千bbl
(株)INPEXサウル石油
(1993年3月30日)
同社 9.557621%
*Santos 36.487841%
SK E&S 21.000001%
Timor GAP 16.000000%
Eni 9.228217%
Tokyo Timor Sea Resources(JERA/東ガス) 7.726320%
  1. ※1全鉱区ベース、2023年12⽉平均⽇産量
  2. ※2井⼾元の⽣産量ではなく買主への販売に対応した数量

当社は1993年にオーストラリアと東チモールの共同管理下にある旧JPDA03-12鉱区の権益を取得しました。その後複数の原油・ガスを発見し、そのうち、ウンダン構造では、隣接する旧JPDA03-13鉱区のバユ構造と一体であることが判明したため、両鉱区の権益保有者が1999年にユニタイゼーションを行い、現在は、バユ・ウンダンガスコンデンセート田として、コンデンセート、LPG、LNGの生産・出荷を行っています。なお、オーストラリアと東チモールが海上国境条約を批准したことにより、2019年に東チモールと新たに生産分与契約(PSC-TL-SO-T 19-12)を締結しています。また、気候変動対応の一環としてバユ・ウンダンガスコンデンセート田の生産停止後、同生産施設及びダーウィンLNG施設を再利用し、豪州北西海域に位置するバロッサガス田やその他の周辺油ガス田から排出されるCO2を回収・地下圧入、貯留するためのCCS事業を検討しています。

地図:バユ・ウンダンプロジェクト(JPDA03-12鉱区)
バユ・ウンダンプロジェクト
バユ・ウンダン海上生産施設