東南アジア

アバディLNGプロジェクト

契約地域
(鉱区)
作業状況 事業会社(設立) 権益比率(*オペレーター)
マセラ 開発準備中 (株)INPEXマセラ
(1998年12月2日)
*同社 65%
Pertamina 20%
Petronas 15%

アバディLNGプロジェクトは、当社がオペレーターとして、インドネシア領アラフラ海に位置するマセラ鉱区アバディガス田の天然ガスを陸上LNG施設で液化し、年間約950万トンのLNG、日量最大約35,000バレルのコンデンセートを生産し、周辺地域のガス需要に応じてパイプラインで日量約1億5千万立方フィートの天然ガスを供給する大規模なプロジェクトです。当社はインドネシア政府当局の公開入札により、1998年11月にマセラ鉱区の100%権益を取得しました。
その後、オペレーターとして探鉱作業を推進し、2000年に掘削した試掘第1号井によりアバディガス田を発見し、探鉱・評価作業や各種開発検討を経て2018年3月から10月にかけて年産950万トン規模を想定する陸上LNGの概念設計(Pre-FEED)作業を実施しました。2019年6月には、Pre-FEED作業の結果等を踏まえた改定開発計画をインドネシア政府当局に提出、同年7月に承認され、改定開発計画の承認とあわせて、マセラ鉱区のPSC期限は2055年まで延長されることとなりました。
その後、LNGプラント建設予定地及びその周辺における詳細サーベイ作業を実施しておりましたが新型コロナウイルス感染拡大の影響により中断しておりました。その後、ネットゼロカーボン社会に向けた対応の必要性にも鑑み、エネルギートランジションの中で競争力のあるクリーンなプロジェクトとすべく、CCSを新たに追加する改定開発計画についてインドネシア政府当局と協議を実施しておりましたが、2023年4月に、同改定開発計画を政府当局へ提出致しました。現在、2020年代後半にFID(最終投資決定)、2030年代初頭の生産開始を目指して取り組んでいます。

地図:アバディLNGプロジェクト
図:開発イメージ図
アバディの掘削船

タングーLNGプロジェクト(ベラウ鉱区)

契約地域
(鉱区)
作業状況 生産量*1 事業会社(設立) 権益比率
*オペレーター)
ベラウ 生産中 コンデンセート:日量約6千bbl
天然ガス*2:日量約1,114百万cf
MI Berau B.V.
(2001年8月14日)
同社 22.856%
*BP 48.0% 日石ベラウ 17.144%
KGベラウ 12.0%
タングーユニット 同社 16.3%
*BP 40.22%
CNOOC 13.9%
日石ベラウ 12.23%
KGベラウ 8.56%
LNG Japan 7.35%
KGウィリアガール 1.44%
  1. ※1全鉱区ベース、2022年12⽉平均⽇産量
  2. ※2井⼾元の⽣産量ではなく買主への販売に対応した数量

当社と三菱商事(株)が共同出資で設立したMI Berau B.V.社は、2001年10月にベラウ鉱区の権益を取得しました。その後、2007年10月に三菱商事(株)と共同出資で設立したMIベラウジャパン(株)を通じたKGベラウ石油開発(株)の株式取得により、タングーLNGプロジェクトに保有する当社分の実質的な権益比率を約7.79%に増加させています。タングーLNGプロジェクトは、2005年3月にプロジェクトの開発計画及び生産分与契約の延長(2035年まで)がインドネシア政府当局に承認され、その後開発作業を経て、2009年7月よりLNGの出荷を行っています。また、2016年7月にタングーLNG拡張プロジェクトに対する最終投資決定(FID)を行いました。
本プロジェクトは、現在年間760万トンを生産している液化設備2系列に、年間380万トンの生産能力を有する第3系列を増設するもので、現在建設中です。加えて、2021年にSKK Migasに承認された開発計画に基づき、CCUSの導入を予定しており、世界屈指の温室効果ガス排出量の少ないLNGプラントとなることが期待されます。また本プロジェクトは、2022年12月に生産分与契約の契約期限を2055年まで20年間延長することについて、政府承認を取得しました。

地図:ベラウ鉱区 タングーLNGプロジェクト
出荷施設
出荷施設

05-1b/05-1c鉱区(サオバン・ダイグエットガス田)

契約地域
(鉱区)
作業状況 生産量*1 事業会社(設立) 権益比率
*オペレーター)
05-1b/05-1c鉱区 生産中 天然ガス:年間15億㎥(見込み)
原油・コンデンセート:年間280万bbl(見込み)
(株)INPEXコンソン
(2004年10月29日)
同社 36.92%
*出光ベトナムガス開発 43.08%
ペトロベトナム 20%
  1. ※全鉱区ベース

当社は、2004年にベトナム社会主義共和国、ホーチミン市から南東350キロメートルに位置する05-1b/05-1c鉱区を取得し、2010年にダイグエット(DN)構造に試掘井を掘削しガス・コンデンセートの集積を発見、2014年にはサオバン(SV)構造に試掘井を掘削しガス・コンデンセートの集積を発見しました。2017年にベトナム政府からSV/DNガス田開発計画について承認を取得し、2020年にサオバンガス田の生産を開始、ダイグエットガス田においても2022年より生産を開始しました。

インドネシアにおける地熱発電事業

契約地域
(鉱区)
作業状況 事業会社(設立) 発電容量 権益比率
*オペレーター)
ムアララボ地熱事業 商業運転中 (株)INPEX 地熱開発
(2021年5月26日)
85MW *PT Supreme Energy Muara Laboh
(出資比率:同社 30%
住友商事50%
PT Supreme Energy 20%)
ランタウ・ドゥダップ地熱事業 98.4MW *PT Supreme Energy Rantau Dedap
(出資比率:同社 27.4%
丸紅 27.4%
東北電力 20.0%
PT Supreme Energy 20%)
サルーラ地熱事業 インペックスジオサーマルサルーラ(株)
(2014年4月1日)
330MW *Sarulla Operations Ltd.
(出資比率:同社 18.2525%
九州電力 25%
伊藤忠商事 25%
Medco Energy International 18.9925%
Ormat Technologies 12.75%)
ラジャバサ地熱事業 探鉱中 (株)INPEX 地熱開発
(2021年5月26日)
- *PT Supreme Energy Rajabasa
(出資比率:同社 31.50%
その他 68.50%)

地熱発電とは、地下にあるマグマの熱エネルギーを蒸気として取り出し、その蒸気によりタービンを回し発電するものです。当社は、インドネシア共和国スマトラ島に位置する4つの地熱発電事業(ムアララボ、ランタウ・ドゥダップ、サルーラ、ラジャバサ)に参画しております。ムアララボ地熱発電事業、ランタウ・ドゥダップ地熱発電事業、サルーラ地熱発電事業は商業運転中です。3つの地熱発電事業の発電容量の合計は約513MWであり、同国スマトラ島の約290万世帯の年間使用電力量に相当する電力を賄っています。それぞれの発電事業は、商業運転開始から約30年間にわたって、インドネシア国営電力会社(PT PLN(Persero))に地熱で発電した電力を販売する計画です。ラジャバサ地熱発電事業は、探鉱段階の事業ですが、既に地表調査及び物理探査等を通じて一定の地熱資源ポテンシャルが確認されており、今後、探鉱活動等を通じて開発移行に足る地熱資源を確認できた場合は、同国地熱事業の拡大に資することが期待されます。

地図:インドネシアにおける地熱発電事業
ムアララボ地熱発電所
ムアララボ地熱発電所