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世界最大級のメタネーションによる CO₂排出削減・有効利用実用化技術開発事業における試験設備の建設開始について

~都市ガスのカーボンニュートラル化の実現に向けて~

株式会社INPEX

大阪ガス株式会社

 

 株式会社INPEX(代表取締役社長:上田隆之、以下「INPEX」)と大阪ガス株式会社(代表取締役社長:藤原正隆、以下「大阪ガス」)は共同で、INPEXが国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology DevelopmentOrganization、以下「NEDO」)から採択された助成事業のもと、都市ガスのカーボンニュートラル化に向けたCO₂-メタネーションシステムの実用化を目指した技術開発事業(以下「本事業」)を2021年より開始しておりますが、今般、千代田化工建設株式会社とEPC契約を締結し、世界最大級となる家庭用1万戸分に相当する400 Nm³-CO₂/hの試験設備の建設を開始いたしました。

 

 当該試験設備は、メタネーション、原料供給及びユーティリティーの設備等で構成され、INPEX長岡鉱場(新潟県長岡市)越路原プラントに接続される予定です(【参考】3.参照)。本事業では、INPEX長岡鉱場内から回収した二酸化炭素を用いて合成メタン(e-methane*)を製造する実証実験を2025年度から実施します。また、実証事業で製造した合成メタンはINPEXの都市ガスパイプラインへ注入し需要家に届けられる予定です。

 

 * 2022年11月に、一般社団法人 日本ガス協会より、国際認知度向上を目指して合成メタンの呼称を「e-methane」に統一していくことが発表されている

 

 INPEXは、2017年から長岡鉱場で合成メタン製造能力8 Nm³-CO₂/hでのCO₂-メタネーション基盤技術開発を行っており、その経験を活かし、本事業全体の取りまとめや商業化検討、設備の建設を進めており、完成後の操業を担う予定です。一方、大阪ガスは、石油系原料を用いて都市ガスや代替天然ガスを製造していた頃から培った、省エネルギーで合成メタンを製造できる触媒技術やスケールアップに関する設計ノウハウ等のエンジニアリング力を活用し、CO₂-メタネーション設備の設計とプロセスの最適化を進めています。

 

 本事業を通じて、INPEXと大阪ガスは、CO₂-メタネーションによる都市ガスのカーボンニュートラル化の早期社会実装に向けて、取り組んでまいります。

 

【参考】
1.メタネーション実証事業の概要について

NEDO助成事業名

気体燃料へのCO2利用技術開発/大規模なCO2-メタネーションシステムを用いた導管注入の実用化技術開発

体制

株式会社INPEX(NEDOから助成):商用スケール適用性検討

大阪ガス株式会社(INPEXから委託):反応プロセス技術開発

国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学(INPEXから委託):シミュレーション技術開発

期間

2021年度下期~2025年度末(予定)

場所

INPEX 長岡鉱場 越路原プラントに接続して、試験設備を構築

概要

(1) 触媒によるCO2-メタネーション反応の挙動把握を目的とした、反応シミュレーション技術開発

(2) プロセスの基本性能や触媒の長期耐久性等の評価・確立を目的とした、大規模CO2-メタネーション反応プロセス技術開発

(3) 商用スケールへの大型化、適用性や経済性等の評価を目的とした、反応システムのスケールアップ等適用性検討

 

2.事業イメージ

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3.試験設備の3次元モデル

3試験設備の3次元モデル.jpg

 

以上

 

【報道関係の方のお問い合わせ先】

 

・株式会社INPEX

担当:経営企画本部 広報グループ

TEL:03 (5572) 0233

  

・大阪ガス株式会社

担当:広報部報道チーム

TEL: 06 (6205) 4515