油層・生産分野

CO2EOR

炭酸ガス(CO2)の油層への圧入は、油回収量の増加効果に加えて、炭酸ガスの地下貯留により環境問題にも貢献できる注目すべき石油増進回収(EOR)技術です。
一方、炭酸ガスは油よりも軽く、流れ易い(粘性が低い)流体ゆえに、油層の高浸透率部分のみに浸入してしまい、地下に大量の油が取り残されてしまう事があります。そこで当社では、この弱点を克服する技術として泡流体(フォーム)に注目しており、炭酸ガス、水を混合させ、高温高圧の厳しい油層環境下においても崩壊しにくい泡を形成し、地下の油を更に効率的に回収できる特殊技術の研究開発を行っています。本技術の適用による地下に残留した原油の回収促進効果、及び炭酸ガスの地下貯留効果を検証するため、国内油田を利用した実証試験を予定しています。

低浸透性貯留層開発

フラクチャリング技術

当社はこれまで国内外の油ガス田開発を通じて、低浸透性貯留層開発に必須とされるフラクチャリング技術を培ってきました。最適なフラクチャリングデザインを作成し、坑井あたりの生産量を最大化するためには、地下で伸展するフラクチャー形状を精度良く把握することが重要であり、当社ではジオメカニクスモデル構築を通じた応力変化予測やマイクロサイスミック等のモニタリング技術の獲得に力を入れています。今後もこれらの技術を活用し、当社が保有するアセットにおける開発計画の最適化を進めて参ります。

図1.多段階フラクチャリングのイメージ図
図2.フラクチャリングによって生じた地層応力変化のシミュレーション例