水素・アンモニア・メタネーション

水素・アンモニア

当社は、2050年 のネットゼロカーボン社会の実現に向け、水素・CCUS事業開発本部を中心として水素・アンモニア事業に注力しています。
取組みの一つとして、新潟県柏崎市にブルー水素(※)・アンモニア製造実証プラントを建設し、2024年の運転開始を目指し準備を進めています。この実証試験の成果を元に、新潟県において既存の天然ガスインフラを活用したブルー水素製造プラントを建設し商業化を目指します。また、国内外で新規事業を推進し2030年頃までに年間10万トン以上の水素・アンモニアを生産・供給することを目標としています。
また、アブダビ首長国では大規模クリーンアンモニア製造プラントの建設に向けて調査を行っています。その他にも、豪州、インドネシアといった海外での大型事業開発として、現地で製造されたクリーン水素・アンモニアの製造・液化・出荷事業への参画を検討するとともに、そのサプライチェーンの事業性検討も進めています。

  • ブルー水素とは、天然ガスを改質して製造された水素であり、水素と同時に発生するCO2を大気放散せずに回収し地下に貯留することで温暖化を防止するクリーンな水素です。水素は、水素発電や水素ステーションに供給、あるいはアンモニア製造の原料として利用されます。

さらには、水素サプライチェーンの重要要素である輸送・貯蔵技術については、I-RHEXの技術課題の一つとして探求していきます。

メタネーション

メタネーションとは、二酸化炭素と水素を反応させ都市ガスの主成分であるメタン(以下、合成メタン)を生成する技術です。再生可能エネルギー由来の水素等を原料として製造されるカーボンニュートラルな合成メタンは既存インフラを利用し需要家に供給することができるため、大きなインフラコストを投入することなく電化が難しい分野も含めた社会の脱炭素化に寄与します。経済産業省が2021年10月に公表した第6次エネルギー基本計画、及びこれに先んじて関係省庁と連携して2021年6月に公表された「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、次世代熱エネルギー産業の取組の一つにガスの脱炭素化が位置付けられ、2030年までに既存インフラへ合成メタンを1%注入することが目標として掲げられています。
当社は、新潟県長岡市のINPEX長岡鉱場越路原プラント内で、生産されるガスに随伴して排出される二酸化炭素8Nm3/hを利用したメタネーションの基盤技術開発事業の試験(※1)を2017年から2021年まで実施しました。また、同プラントで400 Nm3-CO2/hのメタネーション実用化技術開発事業(※2)を2021年から開始し、2025年には既存パイプラインへ合成メタンを注入する予定で、検討を進めています。また、大型化に向けた技術開発及びスケールアップを行い、2030年を目途に10,000Nm3-CO2/hスケール、年間6万トン程度の合成メタンを製造し、当社のパイプラインで供給することを目指しています。
また、I-RHEXでは、大型化や高効率化など各種技術課題へ対応すべく、次世代メタネーション技術の研究を進めています。

  1. ※1NEDO委託事業「次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電基盤技術開発/CO2有効利用技術開発」
  2. ※2NEDO課題設定型産業技術開発費助成事業「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2排出削減/有効利用実用化技術開発/気体燃料へのCO2利用技術開発/大規模なCO2-メタネーションシステムを用いた導管注入の実用化技術開発」