天然ガス事業

生産

地下から産出する天然ガスには、炭酸ガスや水分などの不純物も含まれています。それら不純物を取り除いてパイプラインで送出するための処理プラント(天然ガス生産処理施設)を設置しています。
プラントでは、降積雪対策、更に主要機器の二重化などにより、24時間365日ノンストップの生産体制を整備し、超高圧である坑井からプラント内部まで、コンピュータによる集中監視制御システムを用いて、効率的なオペレーションを行っています。
また、越路原プラント、親沢プラントではエネルギーの利用効率の高い天然ガスを利用したガスタービン・コージェネレーションシステムを導入し、電力供給及び排熱利用の有効活用を行いながら操業しています。

越路原プラント(新潟県)

1984年9月より稼働しています。ガス処理能力は国内最大級の日量420万Nm3。当ガス田から産出される天然ガス中に含まれている炭酸ガスの除去プロセスとして、親沢プラントで実績のある「a-MDEA方式」を採用しています。

親沢プラント(新潟県)

越路原地区の開発に続き、拡大する天然ガス需要に対応する供給基盤を確立するため、1994年10月より稼働しています。ガス処理能力は日量166万Nm3。天然ガスに含まれる炭酸ガス除去に経済性で低腐食性にすぐれた「a-MDEA方式」を国内で初めて採用しました。

販売状況

販売推移

国内の天然ガス需要は、その供給安定性・利便性・環境優位性などから、特に業務用・産業用のお客様を中心に拡大しております。これを踏まえて弊社では、国産天然ガス原料と輸入LNG原料とを組み合わせることで供給原料の複数化/供給体制の強化を図り、今後もより一層の拡大が予想される天然ガス需要にしっかりとお応えしていきます。

販売内訳

販売の約7割が一般都市ガス事業者向けの卸販売であり、残りの約3割が工場事業者などへの直接販売です。一般都市ガス事業者向け販売のうち約3割が一般家庭用であり、残りの約7割は業務用(スーパー・病院など)や工業用(工場など)と、幅広いユーザーにご利用いただいております。直接販売では、従来からの工場等向け販売に加え、電力市場の規制緩和を受け、新たに発電事業を開始した事業者向け販売も行っています。今後も熱源燃料だけでなく、発電やコージェネレーション燃料、化学製品原料など、多種多様な用途への利用が期待されています。

営業エリア

関東甲信越に展開しているパイプラインネットワーク沿線に加え、秋田県・千葉県においても同地域で産出される天然ガスを販売しています。県別にみると、主力の天然ガス田が位置する新潟県が最も多く、以下群馬・埼玉・長野県と続きます。2016年からは富山県にもパイプラインネットワークを拡張しており、今後、関東甲信越地域の既存需要はもとより、北陸地域の天然ガス需要にもしっかりとお応えしていきます。

ガス小売事業について

当社は2017年4月1日施行の改正ガス事業法に基づき、経済産業大臣よりガス小売事業の登録(登録番号A0005、登録年月2016年12月28日)を受け、自社パイプラインネットワーク(特定ガス導管)沿線の大規模工場などの需要家に対して、ガスの小売供給(販売)を行っております。 ※一般家庭への小売供給は予定しておりませんのでご了承ください。

当社ガス小売事業に関するお問い合わせは、下記当社窓口にて承ります。

  • 株式会社INPEX
    国内エネルギー事業本部 ガス営業ユニット
  • 所在地:東京都港区赤坂5-3-1 赤坂Bizタワー
  • 電話:03-5572-0281
  • インターネットでのお問い合わせは、こちらのフォームからお願い致します。

地下貯蔵

関原天然ガス地下貯蔵

天然ガス地下貯蔵とは、地下の地質構造内に天然ガスを圧入して貯蔵し、夏冬や一日のうちの時間的な需要変動に対処するため必要時には圧入した天然ガスを排出させる技術です。タンクの代わりとなる地下の構造は主として枯渇した油・ガス田が利用され、欧米では600ヶ所以上、日本でも数ヶ所で稼働している安定したガスの貯蔵技術です。当社でも、南長岡ガス田近傍の関原ガス田(1968年枯渇)を有効活用し、緊急時にはいつでも230万m3/日を供給できる体制を整えています。

発電への応用

越路原プラント隣接地に、出力約 5万5千kWの高効率ガスタービンコンバインドサイクル火力発電所を建設し、小売電気事業者向け電力卸供給事業を、2007年より開始しています。
この事業では、発電燃料として南長岡ガス田で生産する天然ガスを使用しています。安定的な燃料調達が可能であるという当社独自の強みがあります。
発電した電気は、発電所から東北電力株式会社来迎寺変電所まで、専用の送電線を経由し送電されています。