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| ●燃える空気● |
昔、越後(今の新潟地方)をおとずれた旅人たちは、そこで暮らす人々が、ふしぎな火をつかっていることにおどろきました。地面の中から自然に火が吹きだし、たえることなく燃えつづけているのです。このようすは「この世のことか、まさに奇中の奇なり」という表現で語られました。
実はこの火は、天然ガスを利用したものです。
越後の人々は、地面の中から吹き出す天然ガスを「風草生水(かぜくそうず)」と呼び、生活に役立てていたのです。
「東遊記(とうゆうき)」という書物に、現在の新潟県三条市付近の天然ガスについて、次のようなことが書かれています。「越後の庄右衛門という男が庭に井戸を掘ったところ、水のかわりにガスがいきおいよく吹きだした。庄右衛門は、これを竹のパイプで家の中に引きこんで、煮炊きの燃料や部屋の明かりとして使った」。
このように、井戸から吹きだすガスを家庭で使っていた地方もありました。
さらに明治の中ごろになると、もう少し大きな規模で利用する地方もでてきました。長野県の諏訪湖では、湖底からでる天然ガスをパイプをとおして町へと運び、家庭でつかっていたようです。
井戸のガスを竹のパイプで引きこんでいた庄右衛門、そして湖底パイプでガスを運んだ長野の人々・・・。ガスを暮らしに役立てようという動きは、日本の各地でしだいに大きくなっていくのです。
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