現代

くらしの中のガス

わたしたちのくらしの中で、ガスはどのようなところに使われているのでしょうか。

まず、家の中を調べてみましょう。たとえばキッチンでは、ガスコンロやガスオーブン、ガス湯わかし器などにつかわれ、料理や洗い物に役だっています。また、おふろ場ではお湯をわかす熱源や、洗濯物の乾燥につかわれています。リビングでは、床暖房やヒーターとして、部屋をやさしく暖めてくれます。

オフィスや工場など人がたくさん集まる場所でも、室内の冷暖房用としてつかわれています。町では、自動車を動かす燃料としてガスは活躍しています。現代の生活で、ガスはなくてはならないものになっています。

ガスの利用方法については、「天然ガスって何?-その他の利用」も見てください。

東日本大震災と天然ガス

2011(平成23)年3月11日、太平洋三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震が日本を襲いました。地震と、地震によって引き起こされた津波により、福島県の太平洋岸にあった原子力発電所が大きな被害を受けました。日本の原子力発電の安全性が見なおされることとなり、日本にあるすべての原子力発電所の運転が止まりました。その結果、火力発電の中でも環境への影響が少ないLNGによる発電量が増加し、日本のLNG輸入量が過去最大となりました。

日本のLNG輸入量推移

日本のLNG輸入量推移グラフ

天然ガスのこれから

1992(平成4)年に、二酸化炭素(CO2)など地球環境に悪い影響をあたえる温室効果ガスの排出を規制する「地球温暖化防止条約」が世界の国々により結ばれました。それから5年たった1997(平成9)年12月に「地球温暖化防止京都会議」が開催されました。この会議に参加した国々は、温室効果ガスを少なくする目標などを定めました。

日本を含めた先進国は2008(平成20)年から温室効果ガス(CO2やメタンなど)の排出量を減らすことになりました。

この約束を守るため、石油や石炭にかわるエネルギーとして、また、環境を汚すことが少ないクリーンなエネルギーとして、天然ガスはわたしたちの身のまわりに広がっていくことでしょう。

有害物質排出比較(石油を1とした場合)

有害物質排出比較グラフ

このグラフを見ると、天然ガスは石油や石炭と比べて環境に悪い排出ガスが少ないことがわかります。とくに、SOxはまったくありません。

SOx:硫黄(いおう)酸化物(さんかぶつ)
石油・石炭などに含まれている硫黄分が燃えることによって硫黄酸化物が空気中に排出されます。この物質が木々を枯らす酸性雨の原因となっています。
NOx:窒素(ちっそ)酸化物(さんかぶつ)
一酸化窒素(NO)・二酸化窒素(NO2)などの窒素酸化物(NOx)は、主に化石燃料を燃やすことで発生します。これを排出しているのは工場のボイラーや自動車などです。この物質が大都市で夏におきる光化学スモッグの原因となっています。
CO2:二酸化炭素(にさんかたんそ)
二酸化炭素(CO2)はものが燃える時に発生します。石油や石炭などの化石燃料を大量に燃やしたことで大気中に多くなり、地球の温暖化に大きな影響を与えています。