余分なものをとりのぞき、
「製品」としての天然ガスへ。
地下からようやくとりだされた天然ガスも、そのままでは使いものになりません。水や炭酸ガス、砂などが混ざっていると、設備が故障する原因になったり、天然ガスの燃焼カロリーが変動したりするため、余分なものをきれいにとりのぞいて、良質な「製品」に変える必要があります。この大切な作業は、生産プラントでおこなわれています。炭酸ガス除去装置やセパレーターといった、数々の機械が少しも休むことなく運転をつづけ、とれたての天然ガスはここをへて、りっぱな「製品」へと生まれ変わるのです。
天然ガスの処理方法
井戸から出てきた天然ガスはセパレーター(1)で水分や砂が分離されます。
次に炭酸ガス除去設備(2)で化学溶液を用いて二酸化炭素が取り除かれます。
最後にわずかに含まれる水蒸気や油分が冷凍機(3)を使って除去され、製品としての天然ガスができあがり、パイプラインへと送られます。
天然ガスをきれいにするプラント内では、大切なエネルギーを有効に活用するために、コージェネレーションシステムを導入しています。コージェネレーションでは天然ガスをただ燃やして電気を起こすだけでなく、発生する熱も同時に利用します。エネルギーを見つけ出すだけでなく、その上手な利用法も考えているのです。
越路原プラント
新潟県長岡市にある国内最大の天然ガス生産プラントです。
親沢プラント
親沢プラント
越路原プラントに隣接し、最新の炭酸ガス除去設備を持っています。
ガス・コージェネレーション
中央の箱の中にエンジンと発電機が入っています。
越路原プラント・コントロールルーム
毎日24時間365日プラントの運転を管理しています。
コージェネレーションの話
一つの天然ガスから二つの異なるエネルギー(電気エネルギーと熱エネルギー)を同時に作り出すシステムです。今までの電気だけを発生させている発電設備ではエンジンや発電器から出る熱はそのまま捨てていましたが、コージェネレーションではそれらの熱を効率よく回収して、お湯を沸かしたり、蒸気を作ったり、冷暖房に使ったりと有効に利用します。
コラム:天然ガスの地下貯蔵
プラントで処理された天然ガスは、普通そのままパイプラインを使って利用者に送られます。しかし、安定した天然ガスの供給を考えて、天然ガスを地下にしまっておく地下貯蔵という考え方が最近注目を浴びています。これは資源を取りつくした、古いガス田などに地上から圧力を加えて天然ガスを押し込み、いつでも取り出せるようにたくわえておくものです。地下の深い場所にしまっておけば、地震がきても安心ですね。