コンプライアンス

基本的な考え方

当社は、企業の持続的な発展に必要不可欠なコンプライアンス体制を体系的に整備し、法令遵守・企業倫理の徹底に努めています。具体的には、当社全体で一貫した取組を推進するため、コンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンスに関わる基本方針や計画の策定、重要事項の審議、コンプライアンス関係規程の適宜確認、コンプライアンス実践状況の管理を行っています。

また、「企業行動憲章」の下、業務を遂行する上で守るべき「行動基本原則」を実践できるよう、コンプライアンスを具現化するための遵守事項を規定した「行動規範」を定めており、役員及び従業員のコンプライアンス意識の向上を図っています。

贈収賄・汚職の防止

贈収賄・汚職に対する法規制が厳格化する中、当社は、世界約20か国でプロジェクトを展開する日本最大の石油・天然ガス開発企業として、贈収賄・汚職に対し、「Zero-tolerance(一切許容しない)」のポリシーを貫くことが重要と考え、全ての役員及び従業員に当社共通の価値観であるINPEXバリューの一つ「Integrity(誠実)」をもって行動するよう求めています。

贈収賄・汚職の防止に関しては、「行動規範」において、政治、行政との健全かつ正常な関係の構築(関係諸法令で認められる場合を除く政治寄附などの禁止)や、関係各国の贈収賄・汚職防止関連法令の遵守を定めており、政治活動に関する寄附は一切行っていません。

また、2011年12月から国連グローバル・コンパクトに参加し、腐敗防止へのコミットメントを表明しています。「行動規範」の下、「INPEX グループ グローバル贈収賄・汚職防止方針」及びそれに関する社内規程類を整備し、贈収賄・汚職防止に取り組んでいます。

マネジメント体制

コンプライアンスに関する重大な事案が発生した場合には、コンプライアンス担当役員やコンプライアンス委員会が迅速に対応策を検討、対処する体制を確立しています。コンプライアンス担当役員及びコンプライアンス委員会は、監査役や監査役会、会計監査人、内部監査部門である監査ユニット及び子会社などの、相当する機関又は部署と連携し、(1)コンプライアンスに関する施策の立案・実施、(2)実施状況のモニタリング、(3)コンプライアンス意識の啓発、(4)違反についての報告受付と調査、(5)違反に対する勧告とそのほかの対応、(6)違反の再発防止策の策定などを行っており、コンプライアンス担当役員はこれらについて取締役会に定期的かつ適宜報告しています。2019年度にコンプライアンスに関する重大な違反事例はありません。

そのほか、委員会と職場との連携を確保するため、各職場にコンプライアンス推進管理者及び担当者を配置し、職場の隅々までコンプライアンス意識の浸透・深化に努めています。

コンプライアンス体制図

コンプライアンス教育の推進

当社の一人ひとりにコンプライアンス活動を実践してもらうことを目的に、業務テーマ別、階層別のコンプライアンス研修を定期的に実施しています。2019年度に実施した研修の中には独占禁止法、ハラスメントや贈収賄・汚職などのテーマが含まれています。

また、主要な海外事務所においては、各国の法令・文化に沿った「行動規範」を整備・運用し、グローバルなコンプライアンス体制の強化を進めています。

一般社員向けハラスメント防止研修の実施

当社では、ハラスメントの撲滅のためハラスメント防止関連の研修を継続的に実施しています。2019年度は本社及び技術研究所の一般社員を対象にハラスメント防止研修を実施しました。パワーハラスメントの法制化の動向を踏まえ、従業員が主体的に職場におけるパワーハラスメント防止に取り組むためグループディスカッションを交えた内容構成とし、95%以上の高い受講率を達成しています。

内部通報制度

当社は、公益通報者保護法に準拠した内部通報制度に基づく通報窓口(ヘルプライン)を設置し、当社の役員及び従業員を対象に運用しています。窓口は社内及び社外(弁護士事務所)に設け、通報は匿名で行うこともできます。なお、同制度の対象には贈収賄・汚職、差別、人権、ハラスメントに関する内容も含まれています。

また、通報者が不利益な扱いを受けないよう保護を徹底しています。さらに、監査役に対し通報内容を速やかに報告するとともに、調査・対応結果を適時に報告することで、内部通報制度がより有効に機能するよう運営しています。

2019年度は社内窓口4件、社外窓口4件の通報があり、通報を受け次第、コンプライアンス委員会が、弁護士などの専門家によるアドバイスを踏まえつつ、「内部通報要領」に従い、適切に対処しました。なお、上記通報の中に、贈収賄・汚職、差別、人権侵害に関するコンプライアンス違反はありませんでした。

さらに、2020年6月には既存の通報窓口に加え、「INPEXグローバルホットライン」を開設しました。同ホットラインは、経営上特にリスクが高い分野である(1)贈収賄・汚職、(2)独占禁止法(競争法)違反、(3)不正な会計処理の早期探知・是正を図るべく設置したもので、当社及びグループ会社の国内外拠点の役員及び従業員から多言語(約20か国語)による通報が可能なシステムです。

内部通報体制図

贈収賄・汚職防止の取組

2014年10月にコンプライアンス委員会の承認を得て、「贈収賄・汚職防止ガイドライン(ABC※1ガイドライン)」を施行後、2017年度にガイドラインをABCポリシーに改定、手続要領を策定しています。

2015年度から、本社及び海外事務所に対するリスク評価を順次実施し、これらリスク評価の結果を受けた改善策の実行を通じて、贈収賄・汚職防止体制の整備と運用の強化に努めています。2019年度は、海外事務所2か所でリスク評価を実施したほか、継続的に取り組んでいる新入社員及び中途社員コンプライアンス研修に加えて、政府機関や取引先等との折衝の機会が多い部署の従業員を対象として贈収賄・汚職防止研修を実施しています。

そのほかグローバルなABCコンプライアンス体制の構築に向けて、パース、ジャカルタ事務所とのコンプライアンス活動の情報共有や意見交換を定期的に実施しています。

さらに、2019年4月には贈収賄・汚職防止に関する当社の姿勢を包括的に明示するため、「INPEXグループ グローバル贈収賄・汚職防止方針」を策定の上、ウェブサイト上に公表しました。

なお、2019年度に贈収賄・汚職に関する重大な違反や懲戒処分はありませんでした。

  1. ※1Anti-Bribery and Anti-Corruption
    贈収賄・汚職防止

EITIを通じた透明性向上の取組

当社は、2012年10月から、石油・天然ガス・鉱物資源の採取産業から資源産出国政府への資金の流れの透明性を改善し、健全性を向上することを目的とした多国間協力の枠組みであるEITI※2に参加し、その取組を支援しています。2019年12月末時点で、53の資源国、日本を含む多数の支援国、採取産業企業やNGO が参加しており、当社のプロジェクト実施国のうち、EITI参加国において関連するデータを提供しています。

  1. ※2Extractive Industries Transparency Initiative
    採取産業透明性イニシアティブ