地域社会

基本的な考え方

当社は、事業活動を行う地域社会との信頼関係の構築は、Social License to Operate(社会的操業許可)を保持するための基盤であると考え、オープンかつ透明性の高い対話を通じ、ステークホルダーとの信頼関係の構築、維持に努めています。

「INPEX グループ人権方針」では、事業活動を行う地域社会において、先住民を含む人々の人権を認識し、尊重するための当社のコミットメントを定めています。オーストラリアにおける先住民との関係構築については、「先住民社会との協調活動計画(RAP)※1」を策定し実行しています。

事業活動を行う上では、当社事業が地域社会に与える負の影響を最小化すべく、事前に影響評価を実施し、各種対策を講じています。ステークホルダーと協同し、また、地域社会における人材育成や地元企業支援を通じ、強く輝きのある地域社会の繁栄に貢献します。

また、当社事業を推進するためには、地元産業や地域住民の協力が必要不可欠であると考えています。「INPEXオーストラリア地元企業採用方針※2」においては、オーストラリア企業に対し、公正、公平かつ十分な入札参加機会を提供するための戦略を定めています。当社は、事業を通じて地域社会の経済、社会発展に寄与し、グローバルな社会の一員として持続可能かつ繁栄する地域社会の構築に貢献します。

  1. ※1先住民社会との協調活動計画(RAP:Reconciliation Action Plan)[PDF:6.13MB]
    Reconciliation Australia(先住民社会との協調促進を目的とする独立した専門機関)によって承認されたオーストラリアの先住民社会と協調していくための当社の取組を公式に定めたもの
  2. ※2INPEXオーストラリア地元企業採用方針[PDF:440KB]

ステークホルダーとの関わり

日本における取組

当社の国内事業では、各事業場(新潟、南阿賀、長岡、柏崎、直江津、秋田、千葉)に地域社会の担当窓口を設置して操業地域のステークホルダーとの対話を実施しています。また、例年、柏崎で開催されるマラソン大会の協賛やボランティア参加など、地域イベントに積極的に参加しているほか、新潟、長岡、柏崎、直江津、秋田の各地域で行われる夏祭りの花火打ち上げ協賛、長岡では地域住民の方々との年2回の森づくり活動を通じて環境保全への取組も行っています(ただし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、2020年は各所のイベントが一部中止となり、2021年も同様に中止となる可能性があります)。当社のガスサプライチェーンの中核施設であり、イクシスLNGプロジェクトから出荷されたLNGを受け入れている直江津LNG 基地では、地元の方々や市役所、官庁などに向けて2か月に1回ニュースレターを発行し、基地内での各種作業の様子や安全操業への取組などを紹介しています。また、地元で行われるソフトボール大会など、行事への参加を通して、地元の方々との交流を深めています。

オーストラリアにおける取組

2020年はオーストラリアにおいて、新型コロナウイルス感染症の拡大が事業に与える影響を最小化し、従業員や地域社会の安全を守るために、ステークホルダーとの協力が非常に重要となりました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、対面型の面談は制限されたものの、オンライン会議やEメール、電話を活用し、ステークホルダーとの定期的かつ自発的な対話を行いました。

オーストラリアにおいて2020年に実施した、政府、産業、企業及び地域のステークホルダーとの対話は250回以上にのぼります。加えて、メディア、ソーシャルメディア、出版物を通じ、イクシスの操業活動、雇用、企業参加そしてスポンサーシップの機会などについて、50回以上の情報提供を実施しました※3

  1. ※3Community engagement in the Northern Territory[PDF:4.11MB]

インドネシアにおける取組

インドネシアのアバディLNGプロジェクトでは、中央政府、地元政府、地域社会を始めとする幅広いステークホルダーを特定し、各ステークホルダーとの円滑なコミュニケーションを実施しています。特に、プロジェクトが立地する地域には、当該地域出身の従業員を常駐させ、地域社会と日々積極的な対話を心掛けています。

現在実施中の環境社会影響評価では、インドネシアの環境社会影響評価制度(AMDAL)の一環として開催する住民説明会(パブリックコンサルテーション)の実施に先立ち、AMDAL の要求事項のみならず、国際的な環境社会ガイドラインであるIFC Performance Standards(IFC PS)で規定されているステークホルダーとの関与に関する要求事項に基づいたStakeholder Engagement and Public Consultation Plan(SECP)を策定し、同Planに準じた取組を実施しています。

これまでの環境社会影響評価の各工程におけるステークホルダーとの関わりは、以下のとおりとなっています。

時期 工程 ステークホルダーに関する取組
2018年 ステークホルダーの特定
  • プロジェクト実施における幅広いステークホルダーを特定し、ステークホルダーマッピングを作成。
2019年 Stakeholder Engagement and Public Consultation Plan(SECP)の策定
  • インドネシアの環境社会影響評価制度における要求事項、並びにIFC PSのステークホルダーとの関与に関する要求事項を特定。
  • 上記の要求事項を網羅したSECPを策定。
AMDALにおける住民説明会の実施
  • プロジェクトの立地地域において、AMDALにおける住民説明会を開催し、地域社会の関心事項を聴収。
KA-ANDALの策定
  • 上記の住民説明会で聴収した地域社会の関心事項も考慮し、環境社会影響評価の仕様書(KA-ANDAL)を策定。
現況調査
  • FGD(Focus Group Discussion)、Household Survey、及びKII(Key Informant Interview)等の対話型の調査を実施し、被影響コミュニティの現況を把握。
2020年 影響評価
  • 建設時、及び操業時における被影響コミュニティへの影響を評価。当該影響評価では、地域社会の関心事項に関する影響評価も実施。

地域住民からの意見への対応

オーストラリアでは、フリーダイヤルやEメール、直接の対話を通じて寄せられた地域住民からの意見について記録管理を行い、タイムリーな対応を心掛けています。

2020年には、約800件にわたる地域住民からの問い合わせや意見を受け付けました※4。うち約5割が雇用に関する問い合わせで、その他は調達契約機会やスポンサーシップに関するものでした。

受け付けた意見については、関係者内で共有し、意見の傾向のモニタリングを実施するとともに、新たな懸念事項を早めに特定するように努めています。また、地域住民からの苦情については、苦情対応手順に従い、ステークホルダーと協力して事実確認を行い、適切に対応しています。なお、2020年には、オーストラリアにおいて、同手順が適用される苦情の受け付けはありませんでした。

なお、その他の拠点における、社外ステークホルダー対応手順に従った地域住民からの問い合わせや意見の受付件数は右記のとおりです。

  1. ※4Community feedback in Australia
国名 件数 補足
日本 6 長岡鉱場のみ
インドネシア 777 うち約半数が社会貢献とコロナ対策に関する問い合わせ
米国 325 地権者からの問い合わせ等

先住民との関わり

先住民社会との協調活動計画(RAP)

オーストラリアでは、当社の「先住民社会との協調活動計画(RAP:Reconciliation Action Plan)」に基づき、地域の先住民を尊重し、互いに有益で持続性のある信頼関係を築くための活動を心掛けています。

当社2 回目のStretch RAP となる「INPEX Stretch RAP 2019-2022※5」では、事業活動地域における先住民との関係構築を促進するための具体的な取組案を策定しています。RAP の実行については、当社の上級管理職で構成されるRAP Steering Committeeが定期的にモニタリングをしており、その成果を毎年公表しています※6

  1. ※5INPEX Stretch Reconciliation Action Plan (RAP) 2019-2022[PDF:6.13MB]
  2. ※6Reconciliation Action Plan Report 2020[PDF:449KB]
先住民ララキア族の高齢者支援
ララキア高齢者の健康維持と社会参加を促すバス

2020年末、様々な専門、経験を持つララキア族の人々を中心に構成されるINPEXララキア・アドバイザリー・コミッティでは、LIFT(Larrakia Ichthys LNG Foundation Trust)を通じ、ダーウィン近郊に住むララキア族の高齢者支援のためのバスを購入しました。

これは、今後40年にわたり、ララキア族の支援を行うために設立された2,400万豪ドルのLIFTにより実施される最新プログラムの一つで、12人乗りのバスを購入することで、Larrakia Nation Aboriginal Corporation (LNAC)が実施するララキア高齢者支援プログラムを支えます。

バスは2020年末に納品後、LNACが主催するクリスマスパーティへの高齢者の送迎に使用され、それ以降、LNACが実施する様々なアクティビティへの高齢者の送迎に使用されています。

高齢者向けのアクティビティは、日帰り旅行、博物館訪問、スポーツ、ピクニック、クラフト、学校訪問など多岐にわたります。これらに加え、先住民文化保護の一環として伝統的な食物採取の機会を平等に提供すべく、バス利用に際して女性専用日や男性専用日を設けており、文化継承の支援にも役立てられています。

高齢者にとって移動手段の確保は、健康維持及び社会参加を促すために非常に重要です。また、バスを運転するララキアの運転手の雇用も生まれており、今後は、通院や食料品購入のための送迎にも使用される予定です。

なお、LIFTを通じ、これまでに教育訓練支援や高齢者支援など様々なプログラムが実施されており、2018年末の設立以降、380名以上のララキアの人々がLIFTのプログラムを活用しています。

雇用及び調達機会の創出

当社は、事業活動を通じ、先住民が長期にわたり持続可能な形で経済活動に参加できるよう促す取組を行っています。先住民の参加を妨げることのないよう、人事や調達契約プロセスの見直しを定期的に行い、先住民の雇用及び調達契約の機会提供を事業の一環として取り入れています。

オーストラリアにおいては、「Solid Pathwaysプログラム」や操業技術者研修制度を通じ、先住民のための研修、雇用機会を創出しています。これらのプログラムは、エネルギー産業でキャリアを伸ばしていく為に必要なスキルや知識を積む機会を提供するもので、2020年には6名の先住民が当社に採用されました。

これらの取組は、2022年までに、36名もしくは全従業員のうち3%の先住民雇用を目指すという当社のコミットメントを支えるもので、2020年末時点では、25名の先住民従業員を雇用しています。加えて、イクシスLNGプロジェクトの操業に関わるコントラクターを通じ、2020年には100名以上の先住民を雇用しており、これは2019年から2021年の年平均60名の雇用目標を大きく上回るものです。

また、先住民企業の参加機会を増やすため、2019年から2021年の間に、12社の先住民企業から100万豪ドル以上の調達を行うことを目標としています。2020年は、8社の先住民企業から計400万豪ドルを超える調達を行っています。

文化遺産の保護

オーストラリアでは、当社が事業活動を行う地域において、文化遺産を適切に保護するための文化遺産管理計画を策定し、実行しています。

2020年のNAIDOC Week※7では、文化遺産の専門家であり西豪州南西部の先住民であるヌンガー族の年配者であるIrene Stainton 氏が、文化遺産の取り扱いに関わる当社のコミットメントについて、ビデオで従業員向けへのプレゼンを行いました。

「INPEXは、ララキアの人々と協力しながら文化遺産の保護に努めてきており、北部準州の中でもそのコミットメントは先を行くものです」とIrene 氏はコメントしました。

ララキア族の土地や海の文化遺産については、様々な専門を持つララキア族のグループからなるINPEXララキア・アドバイザリー・コミッティと相談を行い、助言を得ています。

また、NAIDOC Weekを通じ、先住民の文化や歴史に触れ、理解を深めることは、当社のRAPのコミットメントでもあります。

  1. ※7NAIDOCは「National Aborigines and Islanders Day Observance Committee」の頭文字をとったもので、毎年7月に一週間にわたり、先住民の歴史、文化を祝い、功績を称えるための行事が行われる。2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、11月に開催
サバンナ火災管理プログラム
Thamarrurrの森林保護員として働くUriah Crocombe氏
Thamarrurrプロジェクトでの野焼き

イクシスLNGプロジェクトが34百万豪ドルを拠出するサバンナ火災管理プログラムでは、2017年の開始以降、4つのプロジェクトにおいて既にカーボンクレジットを創出しており、2021年には更に2つのプロジェクトの開始を予定するなど、大きな成果を上げています。

このプログラムは、Indigenous Land and Sea Corporationにより実施されているもので、この4年で、新規のプロジェクト開発やガバナンスの協議のために、300名以上の北部準州の先住民とのコンサルテーションを実施しています。

2020年には、新型コロナウイルス感染症拡大の影響にも関わらず、Judbarra 国立公園及びDaly River/Port Keats Land Trust(Thamarrurr)という2つの大規模プロジェクトを開始し、Clean Energy Regulator※8への登録を行い、カーボンクレジットの創出が可能となりました。

プロジェクトの立ち上げにおいては様々な困難も多く、参加者との密な連携が必要となります。先住民や森林保護を実施するグループとの広範囲にわたるコンサルテーションを実施することで、新規のプロジェクトに必要な資金の拠出やグループへの技術支援が可能となります。土地使用の契約を行い、Clean Energy Regulatorへの登録を達成することで、2020年には、上記の2つのプロジェクトにおいて、カーボンクレジットの取得を開始することができました。

サバンナ火災管理プログラムは、雇用創出、生物多様性の保護、文化価値の保護、先住民コミュニティのガバナンスの強化、そしてCO2削減など、様々な利益を生み出しています。

その中でも、雇用の創出は大きな利益であり、野焼きを実施するために広い地域から参加者を募っています。また、安全で効率的な野焼きを実施するために研修を行い、参加者の人材育成にも努めています。

「私たちは、様々なコミュニティにおいて雇用を生み出しており、より多くの森林保護員が彼らの土地で仕事に従事できるようになっています。」と、Thamarrurr の森林保護員であるUriah Crocombe氏はコメントしています。先住民にとって、自分たちの土地とのつながりを維持することは非常に重要であり、同プログラムに従事することで、森林保護員として自分たちの土地で仕事をして生計を立てることが可能になります。

これら新規のプロジェクトの土地は240万ヘクタールにわたり、サバンナ火災管理プログラムでは、現在、総面積360万ヘクタールの先住民の土地にて火災管理を実施し、CO2削減に貢献しています。さらに、これらのプロジェクトに対する支援を通じ、先住民コミュニティにおける持続可能な事業の推進に寄与することで、北部準州の遠隔地の社会そして経済発展に貢献します。

  1. ※8Clean Energy Regulator
    オーストラリアの温室効果ガス排出量削減を推進する政府機関で、温室効果ガス及びエネルギー関連の報告スキーム等を管轄

地域経済への貢献

当社は地元企業の採用や現地雇用を通じ、地域社会の経済発展に寄与できるよう努めています。

当社は、「地元企業採用計画(Industry Participation Plan: IPP)」を策定し、オーストラリア企業に対し、公正、公平かつ十分な入札参加機会を提供するための取組を行っています。調達契約のプロセスにおいて、当社のコントラクターにも地元企業の積極的な採用を促しており、主要コントラクターとの定期的な面談やレポートを通じて、目標や計画に対する進捗状況のモニタリングを実施しています。

また、当社オーストラリアのウェブサイトでは、サプライヤー向けの情報を開示しています※9。北部準州の企業支援ネットワークを活用した地元企業の特定を行っており、サプライヤーに対し、同ネットワークへの登録を促しています。

これらの取組により、2020年におけるイクシスLNGプロジェクトの操業に関わる契約の84%がオーストラリア国内からの採用でした。

加えて、イクシスLNGプロジェクトの陸上施設操業に関わる当社及びコントラクター人員の約95%が北部準州に在住しています。当社や主要コントラクターによる研修及び見習工のプログラムも実施しており、先住民を含む地元の人々がエネルギー産業でキャリアをスタートするための支援を行い、地域社会の人材育成に貢献しています。

2020年12月には、事業の継続性強化を目的に、2024年までにオーストラリアの人員全てを対象に、州間の移動を原則なくし勤務地に居住しながら業務に従事できる定住型の労働形態にすることを決定しました。フライ・イン・フライ・アウトと呼ばれる州外から通っている従業員について、従業員やその家族の状況を考慮しながら、今後3年間で段階的に移行する予定です。

  1. ※9INPEX Australia Website:サプライヤー向けの開示情報

地域社会への貢献

当社は、社会のニーズに応え、地域の社会経済発展を支援するために、社会貢献プログラムを実施しています。2020年は約22億円にのぼる社会貢献投資を行いました。特に次世代の教育・育成に力を入れており、2020年の当社の社会貢献投資額全体の約30%を占めます。また、オペレータープロジェクトにおける地域社会との対話や貢献活動については、東京、パース、ジャカルタ、アブダビの担当者間の定期的な会議を通じ情報共有を図っています。

オーストラリアでの取組

オーストラリアにおいては、強く、活気に満ち、繁栄する地域社会の構築に貢献するため、地域社会の教育、福祉支援及び地元企業の生産能力強化の支援に力を入れた社会貢献投資を行っています。2012年以降、オーストラリアにおける社会貢献活動への投資総額は700万豪ドルを超えており、2020年には、小規模な地域支援からNPOとのパートナーシップなど、40以上のプログラムを支援しています。

2020年初頭には、オーストラリアにおける大規模な森林火災の被災地支援として、豪州赤十字社を通じ100万豪ドルの義捐金を拠出しました※10

また2020年は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に際し、地域社会のニーズに応じた社会貢献活動を実施しました。Foodbank NTや北部準州のMenzies School of Health Researchを通じた新型コロナウイルス感染症対策の緊急支援や、最も必要とされている地域のニーズに応えられるよう柔軟な対応を行いました。また、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、2020年後半や2021年に延期されたプログラムについても引き続き支援を行っています。

  1. ※10INPEX supports bushfire relief efforts with A$1 million pledge
Foodbank NTを通じた緊急食糧支援
北部準州の遠隔地で広がるニーズに応えるFoodbank NT

オーストラリアの北部準州にて食糧支援を行うNPOであるFoodbank NTでは、一日に1,000食以上に相当する食糧を122のチャリティ団体や非政府団体を通じて、支援を必要とする人々へ届けています。

2020年には、新型コロナウイルス感染症の影響により、経済的に困窮する人々が増加し、食糧支援のニーズが急増しました。

これを受け、イクシスLNGプロジェクトから3万豪ドルを拠出することで、前年の3倍の食糧供給を行うFoodbank NTを支援し、月に8万7,000食分の食料を4,000名以上の児童に届けることが可能となりました。

当社はこれまでも、フォークリフトの寄附や従業員による募金活動などFoodbank NTの支援を実施しています。

インドネシアでの取組

インドネシアのアバディLNGプロジェクトにおいては、環境や伝統文化の保全、経済的機会の創出など、地元コミュニティの持続的な発展に貢献すべく、2009年から様々な活動を行ってきました。活動は、ステークホルダーとの対話を通じて地域コミュニティのニーズを把握し、中長期的な視点で戦略的に策定したSocial Investment Programに基づいて実施しています。これまでに実施した主な活動内容は以下のとおりです。

  • 伝統織物生産訓練プログラム:マルク州タニンバル諸島の伝統織物である「イカット」文化の保護や継承、普及促進を目的に、ファッションショーの開催や新規市場開拓に向けた支援を実施。
  • 有機農法の訓練:生態系の保護や地元農家の生産物の品質と生産性の向上のために、有機農法の知識と技術の移転を支援。
  • 奨学金支給:マルク州の選抜学生向けに大学教育・調査研究のための奨学金を支給。2020年までに支援した学生は合計830名。
  • 英語教育支援:地域の英語教育の担い手の育成のために、教員及び教育専攻の学生に英語の教授法を指導。
  • 公衆トイレの普及支援や、乳幼児の健康・栄養に関する講習。
  • 植林活動支援を通じた環境保全意識の醸成。
  • 水害時の復旧支援や、新型コロナウイルス感染症対策としての医療物資・食糧の供与。

2020年12月には、「Social Investment Strategy 2021-2023」を策定し、5分野(①地元の経済力強化、②教育、③公衆衛生、④環境、⑤戦略的社会貢献)に重点を置いて、様々な取組を継続的に実施する計画です。

インドネシア マルク州での有機農法の訓練
地元農家による作業

当社は、2013年よりインドネシア マルク州タニンバル諸島県において、有機農法の訓練によるコミュニティ・エンパワーメントを実施しています。生態系の保護や地元農家の生産物の品質と生産性の向上のために、焼畑農業が中心だったこの地域において、有機農法の知識と技術の移転を行うことで農業支援を行ってきました。

2014年にタニンバル有機農業グループが設立され、2018年には地元農家42名が有機農法実施者として参加しています。また、地元農家3名は有機農法トレーナーとしてマルク州外においても活躍しています。

2019年には、当社が設立した農業グループ Dalam Lesseを正式な農業組合へと発展させることで、販路拡大にも取り組んでいます。

インペックス教育交流財団における奨学支援
コロナ禍のためオンラインで実施された奨学生と財団との年末交流会

本財団は、1981年3月に設立されて以来、インドネシアと日本の留学生の交流を通じて、両国の相互理解、友好、親善の発展に寄与することを目的として奨学支援事業を行っています。

2021年までに受け入れた奨学生数は、インドネシア人141名、日本人61名を数え、奨学生の多くは、各人が留学時に取り組んだ研究開発分野で、それぞれの母国に貢献しています。

アブダビでの社会貢献活動
アブダビの小学校での公文表彰式

当社のアブダビでの事業活動は、2015年の陸上油田権益取得、2017年の上部ザクム油田権益延長、2018年のサター油田・ウムアダルク油田権益延長及び下部ザクム油田権益取得により、新しいフェーズに入りました。また、2019年にはBlock4探鉱鉱区を落札し、探鉱活動に取り組んでいます。今後40年にわたるUAE /アブダビとの長期的な協力関係を更に深化させるため、当社は同国が重要課題としている青少年教育を中心とした社会貢献活動に取り組んでいます。

2018年からSTEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics)教育の基礎となる算数計算能力を幼少期に身に付けることを目的として、公文教育研究会、アブダビ国営石油会社のご協力の下、アブダビの4つの小学校で公文式算数の導入を開始し、2019年からは日本以外で世界初の電子タブレットによる公文式学習の導入も開始しました。2020年はコロナ禍による在宅学習に対応すべく、教材をデジタル化し、電子タブレット等を利用した新しい学習方式による公文式算数の継続に努めました。2021年においては8校・5,000名の生徒を対象に展開する予定であり、今後も対象学校・生徒を更に拡大していくことを目指しています。

また、2020年はコロナ禍により中止となりましたが、夏休み期間を利用して、現地アブダビの学生を日本に招いた技術研修を、1993年から毎年継続して実施してきました。そのほか、現地での柔道の普及と若手選手育成にも協力しています。