株主・投資家の皆様には、平素よりご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
日本の経済活動や国民生活に不可欠な石油・天然ガスは、国内一次エネルギー需要の約6割を占めていますが、国内には資源が乏しく生産量が極めて少ないため、ほぼ全量を海外からの輸入に依存しており、中でも石油はそのほぼ9割を中東からの輸入に頼っています。他方、世界の石油・天然ガス資源の大半は、産油国・産ガス国や国営石油会社の管理下にあり、資源の国家管理を強化する動きも拡がっております。また、中国・インド等は国を挙げて中東・アフリカ・中南米など世界各地で資源権益の確保に邁進する一方、海外の大手石油会社も一層競争力を強化しており、資源獲得競争は益々激しくなっています。さらに、鋼材などの原材料やプラントコスト、掘削リグのレートの上昇や需給の逼迫、加えてエンジニアリング会社の繁忙、環境管理の厳格化などによるスケジュール遅延等、適切なコスト・リスク管理と厳格な投資判断にもとづく事業運営が一層重要になってきています。
こうした厳しい経営環境の中で持続的な成長を図るために、当社グループは、豊富な埋蔵量とバランスのとれた資産構成など当社の強みを最大限に生かし、財務力、技術力、情報力、新規事業発掘力、操業能力などの総合力を一層強化し、グローバルな大手石油会社に比して遜色ない、高い国際競争力を備えた石油天然ガス開発企業を目指します。
具体的には、3つの重点施策、すなわち(1)埋蔵量の維持、拡大を目指した継続的な探鉱・開発活動、(2)海外プロジェクトと国内インフラの有機的結合によるガスサプライチェーンの構築を通じた天然ガスビジネスの積極展開、(3)非在来型石油資源や次世代を見据えた再生可能エネルギーの開発を進めていきます。
中でも、中長期的な成長戦略の柱として取り組む、オーストラリアとインドネシアにおける2つの大型LNGプロジェクトによる生産規模は、わが国のLNG輸入量の15%強に相当する大規模なもので、わが国のLNG安定供給と企業価値の向上に貢献する最重要プロジェクトとして位置づけており、全力で取り組んでまいります。
これらの海外大型LNGプロジェクト等の生産の実現や、3つの重点施策の推進により、2010年代後半には、当社が現在保有する石油・天然ガスプロジェクトからの生産量を、現在の日量42万バレル*(2010年度実績)から、中堅国際石油会社群の中でトップクラスへ、具体的には日量80万~100万バレルへ増加させることを目標としております。
この成長を達成するため、当社は、2010年度からの7年間で約4兆円の探鉱・開発投資等を計画しており、特に海外の大型LNGプロジェクトの開発等を通じ、石油・天然ガスの保有埋蔵量及び生産量の維持・拡大による持続的な企業価値の向上に努めていく一方、配当による株主・投資家の皆様への直接的な利益還元との調和を図っていきたいと考えております。
株主・投資家の皆様におかれましては今後とも当社グループへのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
*生産量・埋蔵量の単位は、天然ガスを原油換算して加算したバレル
2011年6月
国際石油開発帝石株式会社
代表取締役社長
北村俊昭

