CSR - CORPORATE SOCIAL RESPONSIBILITY -

HSEマネジメント:HSEマネジメントシステム

HSEマネジメントシステム概要

 当社グループでは、ISO9000、 ISO14001、労働安全衛生マネジメントシステム(OHSAS18001、OHSMS指針)ならびにOGP※(国際石油・天然ガス生産者協会) のガイドラインを参照し、健康(Health)、安全(Safety)、環境(Environment)への取り組みを包括するHSEマネジメントシステムのもと、労働安全衛生活動ならびに環境保全活動の継続的な改善と向上に努めています。同システムは、環境安全方針、HSEマネジメントシステム規則、各種要領および指針群からなる文書と、本社および事業所ごとに設置しているHSE委員会からなる組織、年度ごとに定めるHSE重点目標とHSEプログラムの実行計画から構成されています。環境安全方針は、当社のHSE活動への基本的な取り組み方針を宣言しており、その内容を確実に実行していくために、コントラクター管理やHSE能力訓練など重要な構成要素については、HSEマネジメントシステム規則の中で、同システムにおける各構成要素のつながり、また各構成要素とそれに対応するHSE文書の関連づけを行い、さらに要領群の中で要件定義を行っています。

 HSE文書とHSE組織に加えて、リスクアセスメントから始まるA-PDCAサイクルもHSEマネジメントシステムの実行上、必要不可欠なプロセスであるため、それぞれのフェーズに求められる作業、例えば、HSE監査や設計段階でのHSEレビューなどに取り組み、HSEマネジメントシステムの実施をより確かなものにしています。

※ OGP:International Association of Oil & GasProducers 国際石油・天然ガス生産者協会

HSEマネジメントシステム推進体制とその取り組み

 HSEマネジメントシステムの推進部署として、本社にHSEユニットがあり、オペレーション事業体※には必要に応じてHSE担当グループを組織しています。また、組織横断的なHSE活動の推進を目的に設置したコーポレートHSE委員会やオペレーション事業体で設置したHSE委員会では、HSE関連要領の審議、HSE重点目標やHSEプログラムからなる活動計画の審議やフォローアップ、さらにはHSE文化醸成のための施策などの検討を行っています。

 本社においては、2007年の10月に第1回目のコーポレートHSE委員会を開催して以来、2010年度は8回の委員会を開催し、HSE重点目標・プログラムの内容や活動実績、HSE関連文書の内容、HSE監査の結果などについて協議を行いました。

 HSE推進部署であるHSEユニットとHSE担当グループでは、HSE専門家の採用やOJTを通じた従業員研修などにも取り組み、HSE活動のさらなるレベルアップを目指しています。

※ オペレーション事業体:当社の本社組織およびオペレータープロジェクトを遂行する組織体

HSEマネジメントシステム推進体制図

長岡鉱場 生産課コーディネーター  渡辺 博武
長岡鉱場 
生産課コーディネーター
渡辺 博武
従業員の声HSE意識を高めるポイント制度
 長岡鉱場では、2003年のISO14001認証取得、2004年のOHSMS導入、2007年のHSEマネジメントシステム導入を踏まえ、2009年からHSEマニュアルの作成と運用に取り組んでいます。これまでに21編のマニュアルを発行し、毎月開催されるHSE活性化委員会やワーキンググループで常に見直しており、現場で使いやすく、形骸化しないよう努めています。また、長岡鉱場では、鉱場内のHSE意識を高める取り組みとして、HSE活動への参加実績や危険行為指摘実績などからなる自己申告制のHSEポイント制度を導入し、鉱場長をはじめ派遣社員を含めた全員参加型のHSE活動を展開し、日常的にHSE活動への参加意識と活動意欲を高めています。

HSEマネジメントシステムの文書体系

 当社グループのHSEへの取り組みを明確に示すために、環境安全方針、マネジメントシステム規則、要領、指針群の一連のHSE文書を作成しています。その体系は、下図で示すような階層構造になっており、コーポレートは、HSE活動全体を総合的に管理するための文書を定め、オペレーション事業体は、それぞれの活動、例えば、探鉱、開発や生産操業を管理するために必要な文書を定めます。これまでコーポレートが作成した要領は23編、その下位文書となる指針、マニュアル、計画書は26編です。それら要領と指針に関連する情報は当社イントラネットに掲載するなど従業員に周知しています。なお、文書は形骸化せずに運用できるように、定期的に見直しをしています。

HSEマネジメントシステム文書体系図

A-PDCAサイクル

 当社グループでは、 HSEマネジメントシステムを構成する重要なプロセスとして、Access-Plan-Do-Check-Act(A-PDCAサイクル)を採用しています。Accessは、リスク管理と法的およびその他の要求事項の設定、Planは、HSE計画書や緊急時対応計画の策定、DoおよびCheckは、HSE 関連データの収集分析やHSE監査、Actは、マネジメントレビューから構成されています。同プロセスは、HSE活動の継続的改善のためにも不可欠な取り組みです。

HSE監査

ベネズエラGas GuaricoにおけるHSE監査
ベネズエラGas Guaricoにおける
HSE監査

 コーポレートおよびオペレーション事業体によるHSE監査は、当社のHSEパフォーマンスを継続的に改善していくために実施しています。監査の対象は、HSEマネジメントシステムとその運用および関連するHSE活動すべてとしています。2010年度はHSE監査を、ベネズエラGas Guarico, S.A.、国内事業削井事業場、エジプトWest Bakr Petroleum Co.の3オペレーション事業体に対し実施しました。HSEマネジメントシステム構築状況、A-PDCAサイクル充足度、HSE重点目標有効性、前回監査指摘事項の改善状況そしてコントラクター管理状況の5項目の重点項目を設定し、不適合事項、観察事項そして良い評価事項などを指摘し、HSE活動への継続的な改善ならびに向上を求めました。

HSE表彰

表彰式
表彰式

 HSE意識の高揚を図り、会社全体のHSE成績を向上させるために、毎年HSE表彰を行っています。2010年度の表彰結果は以下の通りでした。
・HSE優秀賞:帝石パイプライン(株)
・HSE活動表彰:イクシスオンショア 地盤調査チーム
・HSE活動表彰:長岡鉱場 河野 啓二郎

インペックス西豪州ブラウズ石油(株) シニアコーディネーター 薄井 治利
インペックス
西豪州ブラウズ石油(株)
シニアコーディネーター
薄井 治利
従業員の声HSE活動表彰(団体)の受賞を受けて
 豪州のダーウィンにあるLNGプラント建設予定地で地盤調査を実施しました。現地は高 温・多湿でマングローブ林に広く囲まれています。安全衛生面では、高温・発汗による脱水疲労対策を行いました。環境面では、マングローブ湿地帯へのアクセスに水陸両用車を用いることにより、環境負荷を大幅に低減することができました。なお、本調査はオーストラリア探鉱開発協会の最優秀環境賞も受賞し、豪州国内でも高く評価されました。今後、本調査で得られた地盤データをLNGプラントの詳細設計に活用する予定です。

HSEコミュニケーション

HSE実務者会議でのディスカッション
HSE実務者会議でのディスカッション

 当社グループでは、2009年11月に実施した「HSE意識調査」のアンケート結果に基づき、HSEコミュニケーション向上を2010年度プログラムに掲げ、実行しました。

 その活動の一環として、2010年10月には国内・海外のオペレーション事業体のHSE担当者全員を集めたHSE実務者会議を開催しました。会議では、各々のオペレーション事業体で実施しているHSE活動の紹介やコントラクターHSE管理、環境管理等、さまざまな課題について議論を行いました。

 また、本社では、HSEユニットと海外事業本部とのコミュニケーション強化を目的に、定期的にHSE連絡会を開催し、当社グループのHSEマネジメントシステムの内容やHSE活動の状況等の情報の共有を行いました。2010年度は計5回開催し、2011年度も内容の充実を図りながら、継続していきます。

 海外プロジェクトの現地とのコミュニケーションを充実させるために、テレビ会議の利用も進めています。全ての海外拠点と同時にテレビ会議を実施することは、時差の問題もあり容易ではありませんが、一部で実施しています。中でも豪州のイクシスプロジェクトのパース事務所とは定期的にテレビ会議を開催しています。担当者同士で直接意見を交換することにより、単なる情報共有にとどまらず、HSE担当者間の信頼関係を深め、グループとしての一体感を強化する効果も確認しています。

 今後も、当社グループ内では、 Face-to-FaceのHSEコミュニケーションに重点を置きつつ、さまざまな取り組みを検討し、コミュニケーションの強化を図ります。

HSE教育とHSE文化の醸成

 2010年度もHSEプログラムに沿ってHSE教育訓練プログラムを企画し実行しました。このうちコーポレートでは、セミナーや集合教育、eラーニングなどを通して、29項目のHSEトレーニングに延べ1,015名が参加しました。教育訓練内容も、HSEの知識習得、最近の環境管理、緊急時対応、セキュリティ能力向上、HSE専門能力向上など、多岐にわたっています。また、国内・海外の各オペレーション事業体も、安全操業、環境管理、緊急時対応など現場のニーズに応じた教育訓練を実施しています。国内オペレーション事業体では、OJTを基本に、外部講習会などへの参加を追加することにより、保安教育・訓練を充実させています。今後も、リスクアセスメントやヒューマンエラー防止などに重点を置き、教育訓練を通して、さらなる安全意識の向上を目指していきます。

 教育訓練を含めこれまで当社グループでは、HSEマネジメントシステムの構築に力を注いできましたが、文書整備や体制整備が進み、HSE活動の枠組みが固まりつつあることから、今後はHSE活動をより着実に実施するために、HSE文化を醸成させる活動に重点を置く段階にきています。HSE文化は、「HSEの仕組み」、「組織のHSEに対する姿勢や行動」、そして「組織内での姿勢や行動の共有性」、これら3点で構成されています。HSE文化を育むためには、現在の状況を確認するとともに、数年後のあるべき姿を描く必要があります。そこで当社組織のHSE文化の現状を把握するため、2010年8月から指標の検討等の準備を始め、2011年4月にHSE文化成熟度調査を開始しました。2011年度以降はこの結果を踏まえ、HSE文化の醸成に資する活動を展開していきます。

COLUMN
CSRとHSEの考え方

 HSEはコンプライアンスや情報セキュリティと同じく、当社のCSRの範囲内にあります。石油・天然ガス開発を手掛ける当社は、CSR活動において、HSEへの取り組みには特に力を入れています。経営理念実現のためには、操業における安全管理・環境保全を徹底し、国内外の地域の皆さまとの信頼関係を醸成・構築していくことが欠かせません。変化と不確実性の大きいグローバル社会において、ステークホルダーからの要請も変化しますが、当社が操業における安全管理と環境保全、地域社会との共存共栄が求められる点は変わらないと考えています。

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