CSR - CORPORATE SOCIAL RESPONSIBILITY -

トップコミットメント

INPEXグループは、
安全と環境に十分配慮しつつ、
エネルギーの安定的かつ効率的な
供給を通じ、豊かで安心できる
社会づくりに貢献していきます

国際石油開発帝石株式会社
代表取締役社長
北村 俊昭
Portrait

 このたびの東日本大震災により被災された皆さまに、謹んでお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 INPEXグループでは、震災発生以降、被災地の皆さまに対し、当社が製造するガソリンや灯油などの石油製品を提供するなどの緊急の支援を実施するとともに、海外で生産する原油やLNGの電力会社向け追加供給などの支援を行ってきました。今後ともできる限りの復興支援に取り組んでいく予定です。

 幸い、私どもの施設に対する地震の影響は極めて軽微でありましたが、さらに気持ちを引締め、一層の安全・防災対策に努める方針です。

エネルギーをめぐる世界の状況

 2010年から2011年にかけて、私たちエネルギー企業の活動に大きな影響を与える3つの出来事が起こりました。

 第1は2010年4月に発生した米国メキシコ湾沖合での他社の原油流出事故です。石油・天然ガスの有望なフロンティアとして脚光を浴びている深海開発における深刻な事故の発生は、石油メジャーをはじめ石油開発にかかわるすべての企業にとって、安全・環境対策の強化を再認識させる契機となりました。

 第2は、2010年12月のチュニジアのジャスミン革命に端を発した、中東・北アフリカの政情不安です。実際の原油供給に大きな支障は生じていないにもかかわらず、供給不安から原油価格は高い水準で不安定な動きを見せています。原油輸入の9割を中東地域に頼る我が国にとっては、原油価格の高騰は経済やエネルギー安全保障への懸念材料になっています。

 そして第3が2011年3月の東日本大震災および福島第1原子力発電所での事故の発生です。この震災と原発事故は、日本だけでなく今後の世界のエネルギー政策のあり方について大きな議論を引き起こしています。すでに、ドイツやスイスのように原子力政策の見直しを打ち出している国もあり、世界各国におけるエネルギー政策を巡る議論は、今後のエネルギー需給や気候変動問題への対応などにも影響を与える可能性があります。こうした中、2011年6月にIEA(国際エネルギー機関)は、シェールガスを始めとした非在来型ガスの開発促進による天然ガス供給の急速な増加と中国など新興経済国における天然ガス需要の増大に、当原発事故の影響が相まって、世界の1次エネルギー需要に占める天然ガスの役割が今後さらに高まっていく可能性があるという特別報告を公表しました。

 世界的にエネルギーのベストミックスに対する見直しの議論が高まる中、当社グループとしては、かねて着実に推進してきた天然ガス開発の実現を始め、当社グループの基本戦略の推進がますます強く求められていると認識しています。

総合エネルギー企業としての長期的展望と進展

 当社グループでは、これまで掲げてきた3つの中長期基本戦略である「上流事業の持続的拡大」、「ガスサプライチェーンの構築とガスビジネスの積極的展開」、「多様なエネルギーを供給する企業への成長」の着実な推進に加え、最近の情勢を踏まえ安全操業体制の全般にわたる見直しを徹底するとともに、危機管理体制・事業継続計画(BCP)の強化に取り組んでいます。2011年は特に当社の天然ガス開発の推進にとって重要なマイルストーンを迎えており、国際的な事業環境の変化に対応しつつエネルギーの安定的かつ効率的な供給という社会的使命を果たすことにより、持続可能な社会づくりに貢献したいと考えています。

 まず、「上流事業の持続的拡大」では、私たちがかねて取り組んでいる天然ガスの開発が、化石燃料の中でも環境負荷の小さいエネルギーとして一層高い期待を受けることから、現在海外で進めている世界でも有数の大規模LNGプロジェクト「イクシス(豪州)」と「アバディ(インドネシア)」を計画通りに着実に進めることでさらなる埋蔵量、生産量の拡大を目指していきます。特に、日本企業ではじめてオペレーターとして探鉱から生産まで一貫して推進する大規模LNGプロジェクト「イクシス」は、2011年の第4四半期に最終投資決定を行う予定です。

 「ガスサプライチェーンの構築とガスビジネスの積極的展開」では、海外で権益を保有する自社LNGと国内天然ガス供給インフラを有機的に結び付けることにより、安定的かつ柔軟な天然ガス供給体制を強化し、環境に優しい天然ガスの利用促進に貢献していきたいと考えています。その一環として、2011年5月には天然ガスパイプラインの延伸(富山ライン)の最終投資決定を行い、本格的な事業化に着手しました。

 「多様なエネルギーを供給する企業への成長」の取り組みとしては、地熱など将来の事業化に向けた再生可能エネルギーや蓄電技術を利用した総合的なエネルギー利用への取り組み・参入機会の追求に加え、超長期的な視点から光触媒による水素やメタンの生成といった夢のある未来の技術にも挑戦していきます。

地域社会と地球環境へのコミットメント

 当社グループは、こうした中長期基本戦略の着実な推進により、石油メジャーに次ぐ国際的な上流専業企業のトップレベルに成長することを目指しています。同時に、多様なエネルギーの供給や環境に一層優しい技術への取り組みなどを進めます。そのためには、当社グループが、高い志と技術・経験を有する人材を育成するとともに、社会的役割についても強く自覚する必要があると考えています。たとえば、イクシスプロジェクトの推進にあたっては、関係地域の方々とのコミュニケーションを深める努力を重ねており、現地の先住民を含む青年層を対象とした職業訓練校の開校などの取り組みを積極的に行っています。このように、産油・産ガス国の地域社会やそこで暮らす人々と密にコミュニケーションを取りながら、安全操業の徹底、環境面の配慮、雇用の創出、人権の尊重、生活環境の向上など、地域社会の発展に貢献し、地域社会から信頼される企業となるよう、より一層の努力を重ねていきます。

 本レポートおよびウェブサイトには当社グループのこうした取り組みの一端を掲載しています。お読みいただき、当社グループのCSR活動に対する皆さまのご理解、ご支援およびご鞭撻をいただければ幸いです。

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