

環境管理計画の推進
当社グループでは、事業体ごとにHSEマネジメントシステムを構築し、A-PDCAサイクルを回していくことを求めています。環境管理に関しても、各事業体で年度目標、年度計画の作成を義務づけ、監査によってその結果を客観的にチェックするシステムを構築しています。
環境管理の実施にあたっては、IFC(国際金融公社)の基準を採用しています。IFCのEHSガイドラインは、環境面(大気、水系への排出など)だけでなく、社会面(労働者や周辺住民、生物多様性など)までカバーした、事実上の国際基準です。
当社グループの海外プロジェクトでは、基本設計(FEED)など、プロジェクトの早い段階でIFCの基準を意識してプロジェクトを進めていきます。将来的には、国内事業についても、IFCの基準というグローバルスタンダードを適用することを目指し、国内法・条例を遵守してきた国内事業に、グローバルスタンダードを適用すると、どの程度改善が必要かといった調査を開始しています。
温室効果ガス排出状況と削減の取り組み
当社グループの国内部門では、主として天然ガスを生産しており、各事業場では、自社で生産した燃料を直接自社のプラントで消費する、天然ガスを使用した省エネルギーシステムを導入するなど、温室効果ガス排出量の削減に努めています。
また、石油・天然ガス事業では、パイプライン移設工事、設備の定期点検など、操業上やむを得ず天然ガスを一時放散することがあります。天然ガスの主成分であるメタンの温室効果はCO2の21倍であるため、工事前にパイプライン内のガスを減量する、放散する天然ガスを燃焼しCO2に変換するグランドフレアを導入する、などの取り組みを進めています。
温室効果ガス排出量の総計は、2004年度から2007年度にかけて増加しています。当社グループの主力生産拠点である、南長岡ガス田(新潟県長岡市)の天然ガスの増産によるものであり、増加量の大部分を分離除去CO2が占めています。
また、2007年度から2009年度にかけて約40万トンでほぼ横ばいでしたが、2010年度は36万トンに減少しました。
天然ガス生産量が減少し分離除去CO2が20万トン-CO2から16.3万トン-CO2に減ったことが原因です。天然ガスには約6%のCO2が含まれており、CO2分離除去装置で分離し、大気中に放散しています。分離除去CO2は、量も多く、その処理方法についてはさまざまな検討がされていますが、現在は大気放散以外に有効な手段がありません。当社グループを含む石油・天然ガス業界では、この分離除去CO2について、有効利用や地中貯留の可能性を検討しています。
温室効果ガス排出量の中でも石油・天然ガス事業において主要な削減対象となるのは、エネルギー使用と天然ガス放散に由来するCO2排出量です。当社におけるこれらの排出量は、2007年度の16.1万トンをピークに2010年度は11.3万トンまで減少しています。


環境関連法令への取り組み
国内事業の温室効果ガス排出量は、省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)、温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)という2つの法律によって管理されています。省エネ法では、エネルギー使用量を、温対法ではそのほかの分離除去CO2などを毎年、事業者単位で国に報告する義務があります。また、省エネ法では、中長期的に見て年平均1%以上のエネルギー原単位の低減をはかることを目標とすることが、事業者に課せられています。
国内事業のエネルギー使用量は、2010年度83,253KL(原油換算値)で、前年度比4.6%の増加となりました。増加の原因は、電力需要に伴い発電量が増加したことです。発電を除く石油・天然ガス事業でのエネルギー使用量は、天然ガスの生産量の大幅な減産により減少しています。天然ガス生産量が減少すると、処理プラントの運転効率が落ちるため、プラント単位の原単位は悪化し、省エネ法の1%の目標達成はできませんでした。今後も継続的に削減に向けた努力をしていきます。
一方、温対法で報告するCO2排出量は、約5万トン減少しました。天然ガス生産量の低下に伴い天然ガス生産によるCO2の排出量が低下したことが原因です。
輸送に関する省エネルギー対策
2006年4月施行の改正省エネ法で、年間の貨物輸送量が3,000万トンキロ以上の荷主である特定荷主には、輸送量の届け出や省エネルギー計画の策定、エネルギー使用量の報告が義務づけられました。当社国内事業本部は、貨物輸送量が2億トンキロ以上であるため、2006年度からエネルギー使用量を算定し、輸送に関する省エネルギー計画とともに報告しています。
2010年度は、天然ガスの生産量が減少したため、天然ガスに伴って生産されるコンデンセートの生産量も減少しました。そのため、陸上輸送量、海上輸送量とも減少し、結果的にCO2排出量も、2009年度の6,140トンから5,560トンへと約580トン減少しました。
当社グループの「特定荷主」としての輸送の大部分は石油・コンデンセートの輸送であるため、他社との混送等の節約方策がとりにくく、エネルギー消費量の抑制は困難ですが、今後も課題として取り組んでいきます。
今後の温室効果ガスの削減に向けて
当社グループは、所属する業界団体である石油鉱業連盟を通して経団連の温暖化対策環境自主行動計画に参画しています。当計画は、京都議定書の第一約束期間に当たる2008年~2012年の温室効果ガスの排出量、排出原単位を1990年と比較して小さくすることを目標としており、現在61業種・企業が参加しています。
石油鉱業連盟は、当計画において「国内石油・天然ガス開発事業における鉱山施設での温室効果ガス排出原単位を2008年度~2012年度における平均値で、1990年度比で20%削減する」という数値目標を掲げていますが、これを踏まえ当社グループ※では、単独で30%の削減を約束しており、目標を達成できる見込みです。
一方、政府は2008年から「排出量取引の国内統合市場の試行的実施」を開始し、当社グループも同年12月から当枠組みに参加しています。しかし、削減量が目標を大きく上回っていることから今のところ試行取引の実施は考えていません。
経団連は、現行の環境自主行動計画終了予定の2012年以降も引き続き企業の自主的な努力の継続が必要だとして「低炭素社会実行計画」において、各業界団体を通じ各企業から2020年時点でのCO2排出量、および原単位の削減目標を提出することを求める、と打ち出しました。石油鉱業連盟は当計画へも参加することを表明しており、当社グループも目標数値を提出しています。
※ 対象範囲:国内事業本部、磐城沖石油開発(株)
(ただし、南長岡ガス田における脱炭酸プロセス排出量を除く)
オフィスでの省エネルギー対策
当社では、昼休みや夜間の一斉消灯や執務スペースの照明の一部消灯のほか、空調の温度を抑えるなど省エネルギー対策を徹底しています。これらに加えて2010年度は、新潟県柏崎市内のオフィスの照明をLEDに交換しました。その結果、電力使用量の15%削減(CO2換算7.5トン=約500本以上の杉の木が1年間に吸収する量に相当)を達成しました。今後は、さらなる省エネルギーに向け、調光やOA機器の節電を実施するほか、LED照明への切替えを検討します。
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