CSR - CORPORATE SOCIAL RESPONSIBILITY -

第三者所感および第三者所感を受けて

「CSR Report 2011」に対する第三者意見

後藤 敏彦氏

後藤 敏彦氏

特定非営利活動法人
サステナビリティ日本フォーラム代表理事

 社長の緒言は現状を深く分析され会社の方向性を明確に打ちだされています。3.11東日本大震災と原発事故をうけて、ディファクトとして原発の新設は21世紀前半では望めないと考えますし、再生可能エネルギーの一定規模の開発には20~40年位かかると考えると化石燃料の重要性、依存度は高まり続けるものと思います。その中で比較的CO2負荷が少ない天然ガスの開発に注力されているのは、まさに国益・社会益に寄与するもので企業の社会的責任の発揮そのものと考えます。一方で、2009年ラクイラ・サミットにありますように、日本を含め先進国は2050年には1990年比で温室効果ガス80%以上削減を宣言しています。

 天然ガスはもちろん、CCS、さらにはCCUなどに取り組まれておりますが、3.11以後の状況から考え一段の加速を期待したい。ノーベル賞受賞者の根岸博士達の研究も加速が報じられています。再生可能エネルギーに関して、たとえばパイプライン沿いでの小水力、マイクロ水力、風力発電の可能性はないのか、送電線敷設の可能性はないのでしょうか。地熱への技術力も十分持っておられるようです。当面、天然ガスへの注力が第一としても、併行して検討、小さなことからでも実施を加速されることを期待します。昨年もコメントしましたが、見えない時代だからこそ2050年ビジョンが欲しいところです。

 欧米のスタンダードが幅を利かす分野で活動しておられるだけにCSRについての認識は日本企業としては一歩先を行っていると感じます。しかし、2010年のISO26000の発行でCSRは新しいステージに突入しました。将来の開発場所は必然的に新興国・途上国が増えてくるものと思いますが、そこでのCSRが極めて重要になってきています。認識するだけでなく、何をどこまで、どのレベルで実行するかは企業が自ら決めていかねばなりません。現状では特に海外ではかなり手厚く対応しておられることが読み取れますが、所によりニーズは異なります。蛇足ながら、認識の深化、ISO26000の習熟、不断の双方向コミュニケーションの必要性を述べておきます。

 重要課題の選定プロセスを明示されていることは評価できます。全社横断的な組織の立ち上げを進めておられますが、課題はCSRが事業活動と密接不可分なので、その主要課題は全社員が自らの責務と認識して行動する企業風土の構築と維持です。全社員がどれだけ外部と交流を持っているか、すなわちソーシャル・キャピタルの蓄積がポイントです。

 昨年、よく見えない部分があると述べましたHSEについて、今年はかなり詳しく記述されています。多様な現場で粛々と進められていることが読み取れました。ただ、将来は条件の厳しい開発案件が増えることを予想すると、つねに「想定外」に対処できるHSE風土に育てられることを期待します。

 編集方針として4つ掲げられ、それに従って誠実に報告しようとしておられることが読み取れました。WEB「CSR」一覧の工夫や、随所での専門用語の解説もよいです。

第三者意見を受けて

取締役常務執行役員 CSR担当 田中 渡
取締役常務執行役員 CSR担当
田中 渡

 当社グループのCSRレポートへの評価と貴重なご意見をいただき、ありがとうございます。 当社グループはエネルギーの安定的かつ効率的な供給の実現を使命としておりますが、東日本大震災を受けて、改めて当社グループが果たすべき役割を痛感しているところです。

 エネルギーの将来像としての超長期ビジョンとそれに向けた着実な前進、不断の双方向コミュニケーションの深化や、当社の社員一人ひとりが高いCSR意識を持ち日々業務を遂行していく企業風土の構築と維持を始め、今回ご指摘いただいた内容は当社グループの使命を果たすうえでの重要課題として取り組み、これからの事業活動に生かしてまいります。

 今後もグローバルに展開する企業としてCSR活動への取り組みを強化しつつ、安全や環境に配慮した事業活動を推し進めることにより、引き続き皆さまの生活を根幹から支える総合エネルギー企業を目指してまいります。

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