Inside StoriesINPEXの権益原油1stカーゴ出荷

石油・天然ガスのプロジェクトにおいて、プロジェクトにとって又は権益保有会社にとって最初に販売・出荷される原油(LNG)のことを1stカーゴ(第一船)と呼びます。
2015年7月6日、アブダビ陸上鉱区におけるINPEX権益原油の1stカーゴが、アラブ首長国連邦アブダビのジャベルダンナ港から出荷されました。記念すべき1stカーゴを購入してくださったのは、東燃ゼネラル石油様。7月28日に無事、同社の和歌山工場に到着しました。
INPEXのアブダビ陸上鉱区権益取得により、日本に質の高いマーバン原油を安定的に供給する、その第一歩となった1stカーゴの出荷・荷揚げの様子を紹介します。

LoadingJuly 6, 2015, at Jebel Dhanna Terminal

船積み 7月6日 ジャベルダンナ港にて

船積み中の原油タンカー“TOHSHI”

UnloadingJuly 28th, at Wakayama refinery of TonenGeneral Sekiyu.

荷揚げ 7月28日 東燃ゼネラル石油株式会社 和歌山工場にて

Interviews

“INPEX / JODCO”のロゴが入った船積み書類

東燃ゼネラル石油株式会社
執行役員 供給本部 原油製品貿易統括部長 北原英一郎様

東燃ゼネラルグループにとって、UAEは原油の最大購入先となっています。
その中で、マーバン原油は主要油種であり、非常に重要な原油です。
貴社がマーバン原油を生産するアブダビ陸上鉱区権益を獲得された中、その1stカーゴが和歌山工場に供給され、一緒に権益獲得・初めての供給を祝うことが出来、大変嬉しく思っています。

東燃ゼネラル石油株式会社
アブダビ事務所長 中田栄治様

このたび貴社が獲得されたアブダビ陸上権益から生産されるマーバン原油の1stカーゴを弊社に販売していただき、誠にありがとうございます。日本のエネルギー史上、新たなページを開いたこの1stカーゴが、アブダビから日本へ運ばれ、弊社製油所にて精製後、製品となって日本の消費者に届く、まさに貴社と弊社の合作によるMade by Japanのサプライチェーンが完成した瞬間だと感激しております。
弊社は、他の石油元売り会社に比べて、アブダビから生産される原油をフィード原油とする割合が非常に高いと承知していますが、なかでもマーバン原油は、今や弊社の4製油所(川崎・千葉・堺・和歌山)において効率よく製品化できる主要なフィード原油のひとつとなっています。今後も長期的かつ戦略的に調達してまいりたいと考えております。

株式会社INPEX
原油営業ユニット 海宝健

―マーバン原油を権益原油として取り扱うことによる販売活動への影響と期待される効果は?

当社の原油マーケティング活動において、市場における当社のプレゼンスを一層向上させる効果があると考えています。マーバン原油は、アジア太平洋地域で人気の高いアブダビ原油の中でも、フラッグシップ原油と呼ぶに相応しい生産量と認知度を誇り、性状の観点からも多くの精製業者様に受け入れられる原油と言えます。アブダビから生産される全3油種すべてを権益原油として取り扱えるのは、現在当社とアブダビ国営石油会社のみという状況です。以前から権益を有していたダス原油、アッパーザクム原油に加え、アブダビのフラッグシップ原油であるマーバン原油を取扱うことで、今までお付き合いが難しかった会社とも取引のチャンスが生まれることを期待しています。また、マーバン原油を権益原油として取り扱い始めたことで、中東での権益原油の取り扱い数量は従来のおよそ1.5倍となり、当社が上流専業企業トップクラスの取扱量を目指すための重要な一歩と考えています。


-当社マーバン原油の1stカーゴが日本の買主様である東燃ゼネラル石油様の元に届いたことに対する感想や感慨をどうぞ。

マーバン原油の権益取得のために交渉を重ねてきた当社社員の思いが詰まった1stカーゴを無事日本に供給することができ、大変嬉しく思っております。今後40年間続いていく出荷オペレーションですが、1カーゴずつ安定的かつ効率的に供給していきたいと思います。原油の出荷オペレーションでは、出荷ターミナルとお客様、それぞれとの密なコミュニケーションが何よりも重要となります。権益保有者としてアクセスできる情報を活かし、今まで以上にお客様に貢献することで、末永く当社の権益原油としてのマーバン原油をご愛顧頂けるよう邁進していく所存です。